オンラインカジノの利用者に賭博罪が成立するかという疑問(刑事弁護)
2025年09月22日刑事弁護
現在、警察庁はオンラインカジノを利用することは賭博罪になるとして、積極的に取り締まっています。
※警察庁「オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!」
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/onlinecasino/onlinecasino.html
※刑法
(賭と博)
第百八十五条 賭と博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第百八十六条 常習として賭博をした者は、三年以下の拘禁刑に処する。
https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045#Mp-Pa_2-Ch_23
もっとも、古い大審院判例では、詐欺賭博の利用者については詐欺罪が成立しないとするものがあり、検察官が利用している法務総合研究所編『研修教材 刑法各論(その2)-社会的法益に対する罪・国家的法益に対する罪- 三訂版』(法務総合研究所,2018年3月)でもその判例が引用されています。
オンラインカジノについては、NHKの報道で、イカサマであることを示すものがあります。そのため、弁護人としてはこのような報道があることも踏まえて、検察官に対して賭博罪が成立しないことを主張していくべきでしょう。
「オンラインカジノ」それは、“つくられた依存症”だった…|NHKスペシャル
公開:
2025年
4月15日(火)
午後2:02
更新:
2025年
4月20日(日)
午後9:00
NHK
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/paJnovBDza/bp/p4259Aj9AZ/
【ある女性は「オンラインカジノはコントロールされている」と語る。「最初にすごい勝たせたら、みなさんやる気出るじゃないですか。また勝つかも?って。でも実際は、勝てないようになってる。チート(詐欺)ですよ」。
“チート”の真相に迫るべく、今回、取材班ではカジノサイトにアクセスした日本人利用者の個人データに注目。海外で活動するデータ・サイエンティストや弁護士らと協力して、データがどのように扱われているのか追跡した。
すると、“個人データの収集を目的とする組織”の存在が浮かび上がってきた。
彼らは利用者のスマホから、「給料日」、「位置情報」、「家族構成」、「サイトにアクセスする頻度」、「プレー時間」などありとあらゆるデータを収集し、日々の行動をリアルタイムで監視。そして、巧妙な手口によって自分の意思ではやめられない状態へと追い込んでいたのだ。】