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薬院法律事務所

刑事弁護

万引き事件の余罪がどの程度立件されるのかという相談(万引き、刑事弁護)


2025年09月26日刑事弁護

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

 

Q、私は、東京都に住む30代の専業主婦です。昨年から生活費を節約したくて食料品を万引きするようになり、とうとうお店に見つかった警察に通報されました。警察で取り調べを受けているのですが、余罪について話すことができません。余罪を話したら処罰が重くなるのではないかと心配しています。

 

A、一概にはいえませんが、現在の実務運用としては、客観的証拠が乏しい万引き事件は起訴されない取り扱いとなっており、警察においても本格的な捜査はなされないことがほとんどです。初犯であれば、正直に余罪があることを話すということも気持ちの整理のために有用ということがあります。弁護士の面談相談を受けられて下さい。

 

【解説】

よくある質問です。以前も記事を書いたことがあるのですが、私は自白することをお勧めすることが多いです。理由は、結局立件されないことも多く、本人の気持ちの整理という意味では自白すること自体が有効なこともしばしばあるからです。ただ、これは難しい問題ですので、依頼されている弁護士と良くご相談されてください。

 

刑法

https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045#Mp-Pa_2-Ch_36
(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

 

【参考文献】

SPE561号(警察公論2017年5月号付録)91頁

【一括送致方式, いわゆる「終結送致」の対象事件罪種は,窃盗余罪事件(常習累犯窃盗罪及び窃盗を目的として行われた住居侵入罪等を含む。)を対象とし, 当該被疑者に係る起訴事件の罪名は問わないとされている。なお,窃盗を目的として行われた器物損壊罪については。その罪が親告罪であることから, 「終結送致」の対象事件には含まれない。要件としては,被疑者が窃盗余罪事件について, 自白しており,かつ,次のいずれかに該当することである(平22.1.25「刑事指導旬報・第1350号」P2~P3)。
①起訴困難事件
被疑者の自白があるものの犯人性の決め手となる客観的証拠や秘密の暴露等がないなど,公判において犯人性の立証が困難である事件
②起訴相当性要検討事件
当該事件を起訴し,既に起訴済みの事件と併合審理したとしても量刑上影響を与えないと考えられる事件】

万引き事件、発覚していない余罪を自白するべきかという相談(万引き、刑事弁護)