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薬院法律事務所

企業法務

刑事事件、警察に告訴を受理させるコツを知りたいという相談(犯罪被害者)


2026年03月09日労働事件(企業法務)

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

 

Q、私は、福岡市に住む50代の会社経営者です。従業員が横領をしたことが発覚したので、刑事告訴をするために警察に相談に行きました。しかし、私が税理士と協力して収集した大量のファイルを見ようともせずに、本人が横領を認めているのか否かといった話をされて、刑事告訴を受理してもらえません。従業員は横領発覚後に連絡が取れなくなっているため、本人の自白は得られません。どうすれば告訴を受理してもらえるでしょうか。

A、弁護士に依頼して、資料を整理してもらうところから始めるべきだと思います。被害者としては、証拠を全て見てもらいたいと思うものですが、警察は最終的に起訴まで繋げられるかどうかということを気にします。入口は小さく始めるのがコツです。

 

【解説】

 

警察に告訴を受理させるにはコツがあります。その一つとして、「どの点を捜査すれば良いのか」という対象を明確に絞るということです。大量の資料を持ち込めば警察が動いてくれて処罰してくれるという考えで行動をされる方や、とりあえず告訴状を出して受理義務を盾にすれば良いという方もいますが、十分な準備は整えた上で、シンプルに「この部分から切り込んだら立件しやすいと思います」といった提案ができるといいです。十分な準備を整えた上で、初期に提出する資料はなるべく少なく的確なものを出すことが大事です。

 

【参考文献】

「告訴・告発への対応」KOSUZO FUKUOKA 2025年12月号40-42頁
42頁
【(6)告訴の検討(留保)
告訴人等の申出がなされたものの、疎明資料がない、あるいは、疎明資料に乏しい、疎明資料が膨大で精査に時間を要するなど、その時点において告訴の受理、不受理の判断ができない場合は、受理を留保することもできると考えられる。これは、一旦、事件が立件され、捜査が開始されると被疑者とされた者を始めとする関係者に多大な影響を与えるという告訴等の事実上の効果をも考盧に入れれば、告訴等の申出が要件を備えたものであるか否かを的確に検討し、要件を具備するものについて受理するという取扱いが相当であるといえるからである。】

 

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