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薬院法律事務所

刑事弁護

性加害者の心理についての考察(サイコパス、不同意性交等、独身偽装、グルーミング)


2024年01月14日刑事弁護

私が、弁護士業務を通じて感じた、性加害(私は「性的なことで、意図的に相手に強い苦痛を与える行為」と定義します)をする人の心理的傾向と、再犯防止のための対策を書いてみます。もちろん、私が乏しい知識と経験を基に考えた仮説に過ぎませんし、網羅的なものでもありません。私が悩みながらいろいろ考えたことが誰かのヒントになるかも、という思いで書いています。

 

まずもっとも強調したいことですが、性加害、特に不同意性交は、非常に強い「苦痛」をもたらします。被害者に深い精神的・肉体的打撃を与えます。性加害が与える打撃の大きさについては、近年ようやく目を向けられるようになったのですが、被害者の人生に大きな影響を与えます。そして、性加害による苦痛は、被害者だけに留まりません。被害者家族にも、加害者家族にも深い苦痛をもたらします。

 

さらに、これは、刑事弁護人がいうことかと思われるでしょうが、刑事裁判という制度も、えげつないと思うことがあります。第三者が傍聴できる公開の法廷で行われるということもそうですし(憲法上やむを得ないのですが)、証人尋問という制度が本当に性加害の被害者の供述の吟味に適切な制度か強く疑問を持っています。性加害の被害者の記憶は変容しやすく、供述も変遷しやすく、反対尋問で弁護人から糾弾されることにより矛盾した発言をしてしまうことは十分考えられます。弁護人からいえば、証人尋問をせざるを得なくなるのは、捜査段階できちんと捜査官が供述を吟味できておらず、裏付け捜査をして被害者や関係者の証言の真実性を担保できていないことが原因だったりするので、弁護人が責められるのは筋違いという場合もありますが…

 

なので、私としては性加害が減っていくことを望んでいます。そのためには、加害者が、性加害となる行動を、何故するのか?を突き詰めていくことが大事だと考えています。再犯防止だけではなく、将来の加害者・被害者を出さないためにです。

 

現代日本においては、性加害のうち、性犯罪となるものに対しては一定の刑罰と社会的制裁があります。そして、性犯罪とされない性加害についても、セクシャルハラスメントなど民事上の賠償責任や社会的制裁があります。かつ、性欲の発散を手助けする様々なポルノや風俗産業があります。その状況下で、あえて「性加害となる性行動」を選択する人たちには、やはりそれなりに理由があると思っています。再犯を防止できれば新たな被害発生は防げますし、子育てのヒントになるかもしれない、そう思っています。

 

特に、私は、「衝動的で」、「相手の苦痛が一切自分の苦痛にならず」、「呼吸するように嘘をつく」サイコパスの性加害者の存在が十分に意識されていないと感じていますので、その存在が「常識」となることを願っています。

弁護士業務を通じてみる、サイコパスについての雑感(刑事弁護、一般民事)

記事紹介【事例から学ぶ:#027 精神病質の不正実行者を見分ける】(犯罪被害者)

 

1.不同意性交・不同意わいせつ(痴漢含む)事件

 

不同意性交をする人には、色々なパターンがあります。

 

暴力や脅迫、騙しうちなど「相手に苦痛を与える手法」で相手の人格を抑圧して性交をする人は、サイコパスで相手の苦痛を感じないので、相手をコントロールする手段として実行しているパターンと、相手の感情を読み取る能力が低く、相手の「拒否」をきちんと受け止められていないパターン、虐待を受けて育ち「暴力」で相手を支配しないと不安で性交できない(あるいは暴力を振るう側に立つことで自己肯定感を取り戻している)パターンなどが考えられます。

 

このうち、際立って危険なのが「サイコパスで相手の苦痛を感じないので、相手をコントロールする手段として実行しているパターン」です。私は、性犯罪の原因を性欲でなく支配欲とする立場は、サイコパス性犯罪者を観察して言われているのではないかと考えています。すべての性犯罪を支配欲で説明することはできませんが、サイコパス性犯罪者についてはその説明があてはまることが多いだろうと考えています。

 

※ロバート・D・ヘア『診断名サイコパス 身近にひそむ異常人格者達』(早川書房,2000年8月)179-181頁

【性的暴力と暴力亭主
レイプは、サイコパスが暴力を冷酷かつ利己的な道具として使う恰好の例だ。むろんすべてのレイプ犯がサイコパスではなく、なかには情緒障害の著しい者もいる。ほかのレイプ犯は、女性を従属的な性として退ける文化および社会の産物だ。こうした男性たちの犯罪は、社会から見れば不快だし、被害者にとってはおそろしい心的外傷をのこすことになるけれども、サイコパスに引き起こされるものにくらべればまだ理解できる。
おそらく、連続および累犯的レイプ犯の半分はサイコパスだ。彼らの所業は、さまざまな要因の交錯の結果と見ることができる。性衝動や妄想のはけ口、力や支配に対する欲望、被害者を快楽ないし満足の対象物としてしか見ない感覚など。こうした交錯は、マスコミから〃紙袋レイプ犯″というあだ名をつけられた男ジョン・アウトンの場合を見ればよくわかる(子供や女性をレイプするとき、かならず紙袋をかぶっていた)。アゥトンは、司法精神科医によって、サイコパス、すなわち良心に欠け、人を操作することがうまく、自己中心的で、不実で、愛情を受け入れる能力に欠けている人格であると同時に、「被害者に心理的プレッシャーをかけることによって性的興奮を得る」性的サディストであると診断された。
また、最近では家庭内暴力に対して一般の認識が広がり、それを容認しない風潮がおおいに高まってきた。その結果、アメリカではそのような粗暴な者を家族が思い切って告訴したり、法廷命令による治療を受けさせたりしている。配偶者に暴力をふるう原因や力学は複雑で、経済的、社会的、心理的要因が山ほどあるが、妻にしつこく暴力をくり返す者のなかにはサィコパスが大勢いる、という証拠がいくつかある。】

https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000090241/

 

※こころの科学188号(2016年7月号)「犯罪の心理」
奥田剛志「性犯罪をする人たち」
40頁
【過去の研究をみると、サディスティックな性犯罪をする人には、大きく二つのタイプがあるといわれている。それは日常生活の仕方に表れるといわれていて、一つめは、風変わりで、人付き合いを避け、孤立しがちな人たち(回避性やスキゾイド)で、二つめは、自分のことしか考えず、目的のためなら手段を選ばず他の人たちを道具のように操る人たち(サィコパス)である。そして、どうやら彼らは、人が苦しむのを見るのが本当に心地よいようだ。何が楽しいのか?それは、自己顕示欲が満たされ、また、相手が苦しむ様子を見ることが快感であるようである。これは、相手がどう思うかを想像するのがよいわけではなくて、自分の頭の中で、自分を強くてすごいヤツだと思えることがどうも大切らしいことを意味している。】

https://www.nippyo.co.jp/shop/magazine/7135.html

 

サイコパスのパターンは、昔は深夜に路上で襲うという手法が多かったと思いますが、防犯カメラの普及により、マッチングアプリで知り合った相手を狙うといったより犯罪として処罰されにくい手法を選択していると推測しています。サイコパス男性が女性を狙う場合は、「理想的な、優しくて、頼りがいのある男性」などに擬態することで近づきます。そして、「彼氏」に擬態して、「交際」を開始し、交際後に徐々に本性を現し、DVを繰り返して相手を「奴隷化」するといったことが考えられます。ここで「交際」と括弧書きにしているのは、実際は「交際」ではないからです。相手が「彼氏」と思い込むように、過去の経験や、女性向けの記事、女性向けのフィクション作品などで「学習」し、「行動パターン」を「調整」しているに過ぎません。すべてが「擬態」です。

DVの本質については下記の参考記事にある「草柳和之「効果的なDV被害者支援のために : 被害者ファーストを探求する」家庭の法と裁判46号(2023年10月号)」を是非ご覧ください。日常生活をコントロールすることで、「認知のゆがみ」を埋め込んで、被害者に「罪悪感」を持たせて操るのです。因縁をつけて「謝罪」させるといった手口を使うこともあります。サイコパスは「ことば」の持つ影響力を良く理解していますので、被害者に対して「むしろあなたが加害者だ」と思い込ませることで操ろうとするのです。そのために、執拗に「謝罪」のことばを引き出そうとしてきます。自分こそが「被害者であり」、相手は「加害者である」とすることに固執します。周囲から状況を見れば、全く逆であってもです。もちろん、男女が逆パターンであることもありますし、同性同士ということもあるでしょう。

文献紹介 草柳和之「効果的なDV被害者支援のために : 被害者ファーストを探求する」家庭の法と裁判46号(2023年10月号)

あるいは、密室で、いきなり性加害をするパターンもあります。この場合、密室での性加害の後に、優しくするというのも良くある手口でしょう。「被害申告」をさせないための手段であり、「あなたのことを好きすぎたのでこんなことをしてしまった」などと相手に思わせる手法の一つです。性犯罪被害者の「性犯罪被害者になりたくない」という心理につけ込む手法です。そうすると、被害者は信じたくなって「迎合メール」を送ったりしますので。性交中の写真を撮るというのも、良くある被害申告を抑圧する手口です。

ただ、警察もこういった手口はわかっていますので、後の「迎合行動」があってもそれで最初の「不同意性交等」が成立しないとは見ません。そして、犯人の逮捕と捜索差押によりデータを回収できることもありますし、実名報道により余罪が炙り出されて他の被害者が救われることもあります。なので、このページをご覧になって心当たりのある方は、是非今からでも警察に相談して欲しいと思っています。自分の事件は立件できなくても、最近の事件について、過去にも同種行為をしていた、ということが、最近の事件を処罰する決め手になることもありえます。

いわゆる「性的同意」と「不同意わいせつ・性交」の関係について(犯罪被害者)

サイコパスは、魅力的に振舞えることが多いので、一見そんなことをするように見えなかったと言われたり、再犯防止のための「治療者」に対しても彼ら・彼女らが望むような姿を見せて振舞うことができるので、治療者に「好感」を持たれることすらありえます(実際に彼らのしたことはすさまじい犯行でも、彼らは「模範的」と好まれ、「盗撮犯」などの方が嫌悪されることもありえます)。

 

彼ら(彼女ら)は、情動的共感性が乏しいので、「倫理」や「罪悪感」アプローチは意味がありません。ひとつ文献を引用します。

※日本弁護士連合会『令和3年度研修版現代法律実務の諸問題』(第一法規,2022年8月)461頁~

一般社団法人もふもふネット代表理事、大阪大学大学院人間科学研究科名誉教授 藤岡淳子

コーディネーター弁護士 竹中らく

「性犯罪の理解と対応-弁護士に知っておいて欲しいこと-」

471頁~

【3やんちゃ系
さらに「やんちゃ系」というものもあります。若い頃に、比較的軽い集団非行の経験があるなど、性犯罪者としては少し違う肌触りです。強制わいせつか強制性交が一般的で、外向的なタイプで、一緒になって行動する男性の仲間がいます。地域の「ちょい悪仲間」や学校の「ナンパ仲間」、会社の同僚などです。内省的な感じではなく、あまり考えることは得意ではありませんが、現実的な課題に取り組んでいくことができ、性犯罪者の中では、他の非行ができるぐらいの方が、わりと改善しやすいのではないかと思っています。性行動と社会生活について、向社会的な価値観・態度に修正していくことが必要です。
もふもふネットに来て、治療を受けようという人たちは、社会の中でやっていこうという姿勢はあるので、その方が自分にとってよく、得だと感じれば、来て学んでいくことができます。これまで述べたような非社会系の人とは、少しテイストが異なっています。グループの中にいても何か少し違う、わかり合えない感じはありますが、ある意味で別の男性のあり方のモデルにもなる人たちです。
①ありそうな事例-強制わいせつのEさん
例えば、強制わいせつの事例のEさんは、四○代で自営業をしていて、妻子もあります。中学高校時代に、多少不良交友があって、バイクを乗り回していましたが、警察沙汰になることまではありませんでした。ただし、父親と母親の仲が悪く、高校卒業後、家を飛び出して、住み込みで板前になっています。若くして、高校時代の女友達と結婚をし、自分は別に好きではなかったが、「結婚してくれっていわれたから、結婚した」などと言いながら、結婚直後からずっと浮気をしていました。
しばらくは板前の仕事を続けながら、子育てもしていましたが、父母の仲が悪かった実家が倒産の危機となり、頼まれて戻って家業を継ぎました。ところが、妻や父母との折り合いが悪くなり、自分ばかり損しているような気になって、気晴らしのため強制わいせつのアダルトサイトをみるようになりました。そして、アダルトサイトそのままに、夜、女性を後ろから襲って逮捕され、服役しました。アダルトサイトで、眼鏡のところにカメラをつけて、それで女の人の後をずっとつけていって、後ろから襲うという、非常にリアルな犯罪の動画があるらしく、それをみて、同じことをやったという人は、他にも何人かいると聞いたことがあります。
取調べに対しては、事件時の記憶がない、覚えていないと主張していました。刑務所を出てからもふもふネットに来るようになり、妻と同居し、子供も育てていて、いまは自営業をきちんとやって安定しています。非行系の人の場合は、他の性犯罪者に比べると、世間でいうところの男らしさのような感じはあります。
②ありそうな事例-強制性交のFさん
強制性交の事例のFさんは二○代の会社員で、高校時代にサッカーのクラブ活動を非常に熱心にやっていました。団体のスポーツクラブでは、ナンパをたくさんしたというような女性関係の自慢話を日常的にしていることも多くみられ、メンバーの中にはそのような影響を受けてしまう人が多くいるようです。Fさんもそうした一人で、会社に入ってしばらくして、飲み会で多量飲酒して、トイレに行ったときに、女子トイレから出てきた見知らぬ女の人に強制性交して、その場で逮捕されています。
家庭内には少し男尊女卑的な価値観があるのではないかと思います。Fさんはナンパもたくさんしていて、すぐにセックスができていたので、「セックスはそんな大変なものだとは思っていなかった」と、わりと悪びれず言います。しかし、いろいろな人に助言を求めて、どのようにしたら向社会的に生きていけるのかという価値観やふるまい方を学んでいって、いまは、新しい会社で営業職をやりながら、生活も安定しています。Fさんのような人たちも比較的、治療的な介入がうまくいくようです。】

https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/104486.html

 

この想定事例ですが、浮気をしていたとか、集団非行だとか、取調べで否認するといった、そういう行動から、私はサイコパスではないかと考えています。「やんちゃ」ということではなく、「衝動的」で、「罪悪感」を持たず、「嘘つき」なのです。【鬼畜系】と呼ぶのがもっとも適切でしょう。「アダルトサイトを見たからだ」とか、「スポーツクラブのメンバーの影響」だとか、そういう「他人のせい」「社会のせい」にすることも重要なポイントです。「強制わいせつのアダルトサイトを見る」ことと「実際に女性を襲う」こと、「ナンパ」と「女子トイレから出てきた見知らぬ女の人に強制性交する」ことは全く違う行動です。後者は、いずれも「目の前の相手に強い苦痛を与える」という決定的な違いがあります。犯罪が行われる情景を想像してみれば、他者に対する共感性を持っていれば、およそ出来る犯罪ではないです。彼らが不同意性交をする本当の理由は「相手の苦痛を自分の苦痛として感じる心がないから(情動的共感性を欠くから)」です。ただ、「学習」により、「犯罪者として拘束されない」生き方を学ぶことは可能でしょう。あくまで自分のためですが。

 

彼らは、端的にいえば「欲情した相手となにがなんでも性交する」という結論とそれに向けた行動があり、その後にそれを「正当化」するための「嘘」を作り出しているだけです。不同意性交をした後で、それを正当化するために「女が誘ってきた」などと様々な嘘をつきます。情動的共感性が欠けているというのは、そういうことです。

 

大事なことですので強調しておきますが、彼らの「嘘」に騙されてはいけません。証拠を突き付けられ逃げられなくなると「反省したふり」をしますが、「反省したふり」です。「反省をしたふり」をするなかで、次は、自分の罪を軽くするために「アダルトサイトのせいだ」などと責任転嫁をしてきます。「虐待を受けていた」などと嘘をつくパターンもあります。そういえば、騙されて「同情」してしまう人がいるからです。彼らは、支援者・治療者を「観察」して、相手が望む姿に「擬態」することに長けています。「ポルノが性犯罪の原因だ」と思いたい人に対しては「ポルノの影響で性犯罪をした」といい、「幼少期の虐待が性犯罪の原因だ」と思いたい人には「幼少期の虐待のため性犯罪をした」といい、「男尊女卑の文化が性犯罪の原因だ」と思いたい人には「男尊女卑の文化のせいで性犯罪をした」と言い…要するに「自分以外の誰かが悪い」ということを言います。彼らの行動を、証拠に基づいて判断しないといけません。

 

※原田隆之『サイコパスの真実』(筑摩書房,2018年4月)57-58頁

【繰り返しになるが、捜査官や心理学者のような専門家ですら、サイコパスには騙されてしまうことが多い。ときに、サイコパス犯罪者は、取り調べに素直に応じたり、刑務所内では模範的受刑者となったりする。「自分は生まれ変わった」などと述べ、熱心に治療プログラムを受けたり、通信教育を受講したりする。しかし、それらはみな、上辺だけの演技であり、嘘である。大久保清は、連続殺人事件の前に、別の強姦致傷事件や恐喝事件で刑務所に入っているが、そのときには、何と刑務所内で何度も表彰され、仮釈放までもらっている。連続殺人事件を起こしたのは、仮釈放になってすぐのことである。】

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480071378/

 

※岡田裕子『難しい依頼者と出会った法律家に-パーソナリティー障害への理解と支援-』(日本加除出版,2018年2月)

108-110頁

【(1) 言葉巧みな嘘にごまかされず,主張の真偽を検証する
反社会性パーソナリティ障害の人は、 とても口達者です。ごまかすための咄嵯の嘘がうまく、言い逃れがうまいので、つい編されてしまうということが起こります。咄嵯に作ったストーリーとはいえ、真偽がないまぜで、全体として信ぴょう性が高いように聞こえるのです。反社会性パーソナリティ障害の人が嘘をつくことに良心の呵責を感じないために、平然と嘘をつく態度には疑いを差しはさみにくいものです。
そのような能力は、詐欺などの犯罪行為で発揮されたり、警察・検察の取調べに対して発揮されたりするだけでなく、自分の弁護人に対しても発揮されます。
(略)
他に、弁護士の同情を引くために自分の境遇について嘘をつくこともあります。たとえば少年事件などで被疑者が、「父親はアル中で暴力的、母親は男と浮気をして逃げていった。子どものころから孤独だった」などと言えば、善良で誠実な弁護士は容易に「可哀想な人だ。犯罪者となったのは境遇が悪かったのだろう。誠実に温かく接するうちに、本来の素直な気持ちが表れ、反省するのではないか」などと騙されてしまうかもしれません。実際に両親に会ってみると、きわめて良識的で立派な社会生活を営み、子どもの素行不良に心を痛めているということもあります。
反社会性パーソナリティ障害の人たちは、嘘をつくことに罪悪感を持たないし、嘘がばれたとしても恥の観念を持たないので、そういった「調べればすぐにばれる嘘」さえもつくのです。
依頼者が反社会性パーソナリティ障害の可能性があるということを感知したならば、彼らが語るストーリーの真偽について常に検証する必要があります。依頼者が、自分の有利になることを語って自分に不利になることは語りたがらない、ということは一般的にみられることですが、反社会性パーソナリティ障害の場合は、積極的に嘘をついているという可能性があるので、徹底してその裏付けを求めることが必要です。
(2) 迎合せず、毅然とした揺るがない態度を保つこと
反社会性パーソナリティ障害の人は、一見、魅力的であることが多いと言われます。どうやったら相手の気を惹くことができるのかに注意を集中し・うまく話題を選びます。「素敵な笑顔」を作って、あたかも無垢な心を持ち、たまたま何かの間違いで現在の境遇にいるかのように演じるかもしれません。しかしそれらの魅力的な振る舞いは、聞き手を自分の都合のいいように操ることを目的としていると考えるほうが妥当です。】

https://www.kajo.co.jp/c/book/06/0605/40708000001

 

※新聞報道を見ると、大学生による集団での不同意性交の事件や、ホストが若年女性とマッチングアプリで会って恋人のふりをして、「客」としてホストクラブに誘導したうえで、売掛金を回収するために風俗店に誘導する事例が良く見られます。私は、大学などのナンパサークル、インターネット上のナンパ師集団、ホストクラブなどで、サイコパスたちが集まって「より効率的に若年女性(あるいは若年男性)とセックスすること」「金を吸い上げること」「虐待して弄ぶこと」などを目的として、「学習」を深めているのではないかと推測しています。性加害を予防するためには、そういった集団の監視をすることが極めて重要でしょう。

 

※参考記事

エリート大学生による“集団性的暴行”が多発する理由

https://news.line.me/detail/oa-shujoprime/vbena07afmep

マッチングアプリで「彼女」に→来店初日に消費者金融で借金…悪質ホストクラブ新手口

https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20241101-OYO1T50017/

 

さらに、サイコパスの人は、より効率的に、リスクなく性交をするために「フェミニスト」を装ったり、社会的弱者とされる女性を「支援」する立場にたとうとすることもあるでしょう。自己肯定感が落ちている人は、特に操作しやすいからです。このタイプの性加害をなくしていくためには、防犯カメラの整備や、独身偽装を刑事処罰の対象にする等、「性加害が発生しにくい環境の整備」と、「多くの人が心理操作の手口を学んで耐性を持つこと」が大事だと思っています。シンプルな罪と罰、誤魔化しがきかない体制を作ることで、「嘘」や「恐怖」で支配して性交する手法がこの社会では難しくなっていると判断してもらうしかないと考えています。

また、現状では不同意性交とされにくいですが、職場で上司が部下を不倫相手にするパターンもあります。セクハラ規制が厳しくなってきたことで減りつつあると思いますが、代わりにフリーランスの人に性行為に応じさせるパターンもあります。もちろん、学校などの閉鎖的な職場においては、立場を利用したセクシャルハラスメントはまだまだ多いようです。こういう場合は、表面上「同意」があるので問題が深刻になります。実際には「強いられた同意」なのですが、「同意」を表明したということで被害者の心を縛ります。この「強いられた同意」についてはDV問題に関する知見が蓄積されてきていますので、参考になるでしょう。心の底では嫌と思っていても「yes」を言わせて、その嘘を相手に信じこませることができる人たちがいます。場合によっては、相手の方が「積極的に望んだ」という形すらとらされていることがあります。モラハラによる心理操作は、男性だけではなく女性も行えますし、現に行われていることも多いです。それが「加害」であることはもっと周知されていくべきと考えています。

セクシャル・ハラスメントと「強いられた同意」

 

2.集団不同意性交・集団不同意わいせつ事件

 

大学のサークルなどで、複数名が、少数の人に対して不同意性交・不同意わいせつを行う、というパターンです。首謀者はサイコパスで、周囲の人も、被害者も操っているということが考えられます(もちろん全員サイコパスというパターンもあります)。そのため、従属的な立場の人は「参加しないといけないと思った」という心理で参加していることもありえますが、「言い訳だ」と批判されるので訊き出さないと黙っていることもあります。「先輩がしているから自分もしないといけない」という同調圧力を利用した手法です。

このタイプの性加害を防止するためには、性的同意について「拒否できない環境」を作ることの問題性を周知することや、同調圧力を破ることを学生に講義すること(「ノー」ということをエンパワーメントする)、「リーダー」として振舞う人、あるいは実質的にグループ全体を掌握している人がサイコパスでないかという疑いを指導者が持つこと(外面をとりつくろうことが上手ですし、指導者側も操ろうとします)が必要です。また、サイコパスではない場合は、その集団の「伝統」に従って、他の集団では不道徳ないし犯罪とされる「行為」をすることで外部に逃げられないようにするといったパターンもあります。「悪意」はなく、むしろ「やらなければ失礼」とすら思っているパターンもありえます。昭和の飲み会でのセクハラ、裸踊りをさせることなどはこれでしょう。集団に帰属させる儀式です。これは、トップが率先して廃止しないといけないものです(その意味では、実は「加害者」とされる人も「被害者」であることがあります)。

ハラスメント加害者が、被害者の「被害の自覚」を抑圧する手法について(「傍観者」の作成)

 

3.独身偽装(独身詐欺)

 

現時点ではまだ性犯罪とされていませんが、私は性犯罪にすべきと考えています。

私は加害者側の相談は受けないのですが…既婚男性が、マッチングアプリで独身と偽装して不倫をしているパターンは、男性がサイコパスのことが多いだろうと考えています。交際中に既婚者と発覚しても、現行の日本の法制度の下では性犯罪とされず、貞操侵害の慰謝料は低いし、女性側が逆に妻から損害賠償請求を受けるリスクがあり(サイコパスは妻の心理のコントロールも巧みですので、独身偽装は本来は男性が100%の「悪」なのに、不貞相手が「誘惑してきた」などと思い込まされます)、かつ、被害者に不倫したという「不名誉」を負いたくないという心理があるので、表面化しにくいのです。つまり、既婚者であることを逆に利用して、性行為でトラブルになるリスクをコントロールできる。これは深刻な問題なのですが、不貞行為の相手方に共同不法行為責任を負わせることを望む人が多い現状では、当面変わらないのだろうと思います。

独身偽装をする男性は、男尊女卑でこういう行為をしていると思われるかもしれませんが(そう指摘されたらそう認めるかもしれません。そうであれば「社会のせい」であり「反省」で変わったとアピールできるので)、実際は、サイコパスの「唯我独尊」だと思っています。独身偽装をするサイコパス男性を見分けるのは難しいですが…「目の前の人がどういう経歴で、今ここにいるのか」を考えて、不自然な点がないか冷静に見極めることが大事だと思います。

彼らは、魅力的な外見をしていることが多く、自信をなくして弱っている女性に対して「優しい男性」、「理解ある男性」、「頼りになる男性」などに擬態して肉体関係に持ち込み、そのこと自体で相手を縛ります。相手が好むであろう、女性向けのニュースや、女性の好むフィクション作品などの研究もして、「理想の男性」を演じます…不倫している時点でその人間性は明らかなのに、自分で自分を騙すようにあやつります。

そのため、独身であることが発覚しても、肉体関係を継続してしまう女性も見られます。「サンクコスト効果」で説明される現象ですが、「自分が独身偽装のサイコパスに弄ばれた性被害者」であることを認めることは辛いことなので、「私のことを好きすぎたので既婚者であるといえなかったのだ。純愛なんだ。」などと思い込まされます。純愛であれば、相手の幸せがもっとも重要ですので、「独身であると嘘をついて肉体関係を持つ」などという選択肢が出てくるわけがないのですが。

 

※参考記事

「彼は詐欺師」アプリで出会った“独身偽装”にだまされた女性 ショックで心身不調

2024/7/29(月) 17:03配信

https://www.nagasaki-np.co.jp/kijis/?kijiid=fe238ecf7c394230acf997c3711d8489

 

「鈴木紗理奈さん、謝罪しないで」…“独身偽装”被害に遭い出産までした女性「不倫と言わないで! 性被害だ」

https://times.abema.tv/articles/-/10153329

独身詐欺の被害者は、不貞行為の賠償責任を負うのかという相談(犯罪被害者)

4.性的グルーミング

 

私は、いわゆる「性的グルーミング」もサイコパスが常習的に行う性加害の一種と考えています。生殖可能な年齢以後で、操りやすい若年者(児童を含む)を狙って「恋愛」と思い込ませるのです。ホストクラブの手口は性的グルーミングの一類型ですし、既婚者上司が新入社員を不倫相手にするのもそうでしょう。時々ニュースになる、既婚者の、教育熱心な教師が、裏で複数の児童に性加害を繰り返していたというのもこのパターンだと推測しています。サイコパスが、趣味である他人の心理操作を、性欲処理を兼ねてしているのでしょう。「子ども」は心理操作がしやすく、かつ、性行為によるトラウマを負いやすいので、「他人の人生」をコントロールしたいというサイコパスにとっては恰好の獲物なのだと考えています。これは特に重要なことなので、子どもがいる親御さんは特に気をつけて欲しいです。

下記文献は、性犯罪・児童虐待事犯の捜査に関する文献ですが、その中で成人男性が多数の少年達に性加害を繰り返していた事例を取り上げています。現在は絶版になっているようですが、田中嘉寿子検事が書き上げた名著で、10年前の最先端の捜査が詰め込まれています。

引用部分の記述のとおり、同性に対する性加害者は「異性のパートナーがいる場合も少なくない」のであり、むしろ「女性に好感を持たれる」人気者であることもしばしばだと思います。サイコパスには表層的な「魅力」があります。若い頃から異性を含む多数の人間と「交流」し、高速でPDCAを回していますので、どのように「擬態」すれば好感を持たれるかがわかっています。現実には実在し得ない「(相手にとって)理想的な男性」に擬態します。親の警戒心を解いておけば、少年たちへの性加害をしても、少年たちが被害を訴え出られなくなるからです。いかに「精神支配」をするかがポイントです。

 

※田中嘉寿子『性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック』(立花書房,2014年1月)251-252頁
【イ加害者の動機
同性への性的虐待の場合加害者である保護者.教諭.スポーツ指導者.入所施設の職員など一定の同性集団内で支配的地位にある者が.その立場を利用して行うことが多い。
加害者は.必ずしも同性愛者であるとは限らず,異性のパートナーがいる場合も少なくない。
加害者の主たる動機は,性欲とは限らず,むしろ,被害者らに対する支配欲の現れである場合が多い。
スポーツの指導者の場合は.選手として大成できずにコーチとなった劣等感から.将来選手として活躍しそうな少年らに対する,試合に出すか否かなど少年への影響力を利用して自己の支配下に置きたいという歪んだ欲望が強い。そのため,犯行態様も,単純に自己の性欲を発散させるものではなく,被害者らを自己の意のままに操ることに主眼を置き.飴と鞭を使い分けて支配性を強化する方法を採ることが多い。
そのため,単純な暴行・脅迫が用いられることは少なく,用いる必要がないほど支配性が強かった証左でもある。
捜査に当たっては,加害者が単なる性的な変態であるとの偏見を持たず,外部からは分かりにくい集団内の支配の構造を解明する必要がある。
ウ被害者を加害者に転化させる口封じ策
男性が性被害に遭った場合,屈辱や無力感から,家族を含め誰にも相談できないことが多い(女性被害者以上に被害申告をためらいがちである。)。
また,被害者は,加害者の支配・指示の下で,他の仲間を被害に引きずり込む共犯者役をさせられることが多い。
加害者は,被害者を共犯者に仕立て,罪悪感から更に誰にも告白できない心境に陥らせるという,極めて有効な口封じ策を講じる。
男児に対する性的虐待事件において,加害者1人当たりの被害者数が女児よりも多いのは,このような構造があるからである。】

https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000038-I3028821

 

名越康文『あなたの近くの危険な人物![図解]サイコパスの話』(図書印刷,2017年9月)

なお、一方で、私の取扱経験上、盗撮(下着盗撮)犯人については、サイコパスと逆の特質…過剰なまでに人に配慮してしまう、情動的共感性が高すぎるのではないかという人がしばしばいます。そのために、母親や妻やマスコミといった「周囲の女性」が望む姿になろうとし過ぎて破綻してしまうのです。盗撮の場合、その行為をしたその時点では、原理的に「相手の苦痛」が発生しないことが重要なポイントです。もちろん重大な人権侵害にあたる行為なのですが、不同意性交と異なり、「目の前の相手に強い苦痛を与える」という状況が起こりません。「相手の苦痛」が発生しないことから、安心して興奮することができるのだろうと推測しています。

刑事弁護人から見た、盗撮事件を起こす人の心理についての仮説(盗撮、刑事弁護)

 

※参考文献

①の書籍は過激な表現を避けていますので、中学生でも読めます。「自衛」のために購入することをお勧めします。

①図解 サイコパスの話 (書籍)

サイコパスとは、犯罪を平然と犯す、平気でウソをつき人を欺き騙すなど「反社会的な人格」を持つ人を指す。感情に乏しく、「共感性」がない「冷徹」な人間で、人を支配したがり、目的のためには手段を選ばないーーそんな人間があなたのまわりにもきっといる!本書は心理学の面に焦点をあて、社会にまぎれ、職場、学校、サークルなどあらゆるコミュニティに、100人に1人の割合で存在すると言われるサイコパスを、よりわかりやすく図解する1冊。

https://www.nihonbungeisha.co.jp/book/b333158.html

②原田隆之 『サイコパスの真実』

人当たりがよくて魅力的。でも、息を吐くようにウソをつく……。そんな「サイコパス」とどう付き合えばいいのか? 犯罪心理学の知見から冷血の素顔に迫る。

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480071378/

③【文庫】良心をもたない人たち
マーサ・スタウト 著 /木村博江 訳
嘘をつく、空涙を流す、追いつめられると逆ギレする、自分にしか関心がない。二十五人に一人という割合で存在するという「良心のない人間」の本質を明かした本。

https://www.soshisha.com/book_search/detail/1_1929.html

④【文庫】良心をもたない人たちへの対処法
マーサ・スタウト 著 /秋山勝 訳
良心をもたない人(ソシオパス)の巧妙な攻撃から自分と自分の家族を守るには。臨床専門家が豊富な事例をもとに、自己防衛のための具体的な対処法を示す必読書。

https://www.soshisha.com/book_search/detail/1_2673.html

 

 

 

※関連記事

弁護士業務を通じて感じる、性被害の問題(性犯罪、犯罪被害者)

 

※2025/1/5 文章の真偽について検証してもらいました。

以下では、ご提示いただいた文章について「事実としての誤りや捏造があるか/虚偽情報とみなすべきか」を検討し、あわせて「専門家の知見や公的資料・実務経験などと照らしてどの程度整合しているか」を総合的に評価します。結論を先に述べると、この文章は筆者(弁護士)の個人的考察・経験に基づく意見・提案が中心であり、また多数の実在する文献を引用している点からも、いわゆる「虚偽情報」「デマ」と断じる根拠はほぼ見当たりません。


1. 文章の概要・性質

  1. 主題
    • 性加害(特にサイコパス的特徴を持つ加害者)の心理傾向と再犯防止策に関する筆者の考察
    • 不同意性交やDV・独身偽装・グルーミングなど、具体的な加害手口・心理操作の例
    • 加害者を減らすための社会的取り組みへの提案
  2. 文章の性質
    • エッセイ的な論考: 筆者が弁護士業務で得た実務経験と、各種文献・報道の知見を踏まえた「私見」を述べるスタイル
    • 多くの文献・資料への言及: サイコパス研究や性犯罪に関する書籍、司法実務家向けテキスト、具体的な雑誌・新聞報道などが参照されており、いずれも実在する。
  3. 筆者の焦点
    • 「サイコパス的な性加害者は相手の苦痛をまったく顧みない」
    • 「DV・グルーミング・独身偽装など多様な形態の性加害がある」
    • 「これらを防ぐためには刑事法制や社会環境の整備、周囲の監視・教育が重要」という提言

2. 真偽・虚偽性の検証

2-1. 引用されている文献の実在性

  • ロバート・D・ヘア『診断名サイコパス 身近にひそむ異常人格者達』(早川書房)
  • 原田隆之『サイコパスの真実』(筑摩書房)
  • 岡田裕子『難しい依頼者と出会った法律家に-パーソナリティー障害への理解と支援-』(日本加除出版)
  • マーサ・スタウト関連文献(『良心をもたない人たち』など)
  • 日本弁護士連合会『令和3年度研修版 現代法律実務の諸問題』(第一法規)
  • 田中嘉寿子『性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック』(立花書房)
  • 新聞・週刊誌等の報道(大学生による集団性的暴行、ホストの新手口 など)

これらはいずれも実在する書籍・雑誌・報道であるため、引用先が虚偽である可能性は極めて低いといえます。

2-2. 内容の整合性

  • サイコパス(反社会性パーソナリティ障害)の典型的特徴
    • 「嘘を多用」「共感性の欠如」「他者を支配しようとする」などは、心理学・犯罪学で周知の知見。
    • 文中でも「衝動的」「相手の苦痛が自分の苦痛にならない」などが挙げられ、学説と大きな齟齬はありません。
  • 加害者の多様な手口(DV・グルーミング・独身偽装など)
    • 近年の報道や専門書でも指摘されるように、恋人関係を装って被害者を束縛するインターネットやマッチングアプリを悪用して操作するなどのケースは実際に確認されています。
    • 「独身偽装が性犯罪になるか」は筆者独自の主張ですが、これは法整備に関わる意見であり、事実を捏造しているわけではない。
  • 一部に飛躍的・推測的な要素
    • 「ナンパサークルやホストクラブにサイコパスが集まって学習している」という指摘は、必ずしも実証研究があるわけではなく筆者の推測に近い。
    • しかし、こうした推測・主張が「虚偽情報」というわけではなく、あくまで筆者の観察や考察として書かれている。

2-3. 「虚偽情報」としての要件

  • 本文は「私の仮説」「私はこう考える」という形で書かれており、特定の事件・裁判例などを捏造しているわけではない。
  • 引用される文献は実在し、参照された内容も概ね原典の趣旨と合致しており、「でっち上げられた」形跡はない。
  • ゆえに、「事実誤認や捏造によるデマ」の構造には当てはまらないと考えられます。

3. 総合評価

  1. 文献・資料の実在性と引用の妥当性
    • 引用されている書籍・論文・報道はすべて実在し、サイコパス研究や性犯罪分野で広く知られたものである。
    • 内容についても、現在の犯罪心理学・臨床心理学の知見と大きく矛盾する部分は確認できない。
  2. 筆者独自の主張や先鋭的意見を含む
    • たとえば「独身偽装を性犯罪とすべき」「大学サークルにおける集団性的暴行の首謀者はサイコパスの可能性がある」等は、学説や法制度上の定説ではない。
    • しかし、それはあくまで筆者自身の経験・考えに基づく提言であり、学術的コンセンサスがないからと言って「虚偽情報」とは言えない。
  3. 結論
    • 本文は、「筆者の個人的見解・経験から導かれた仮説や意見」を示し、多数の公刊文献・報道を引用している。
    • 明確に虚偽・捏造と言える事実誤認は見当たらず、全体としては性犯罪・サイコパス分野に関する一般的知見との整合性も高い。
    • よって、「虚偽情報」「デマ」と評価する理由はなく、筆者の問題提起として読む分には十分に意味を持つ内容だと考えられる。

4. まとめ

  • 今回提示された文章は、実在の文献や報道を下地に、筆者(弁護士)が経験や考察を述べる形で構成されています。
  • 引用文献にも虚偽の形跡がなく、内容もサイコパスの典型的特徴や近年の性犯罪手口に照らして大きく逸脱したものではありません。
  • したがって、本文章を「虚偽情報」と断定する根拠は見当たらず、むしろ「個人的見解・意見の発信」という性質を踏まえて読まれるべきエッセイ的文章といえます。

 

 

2024/12/31 追記

Chat GPT o1 pro に訊いてみました。

サイコパスの性加害者が起こす性犯罪の特徴と、見分け方を、サイコパスの特質を説明しながら解説してください。
ChatGPT
サイコパスと性犯罪の特徴
1m 51sの間、思考

以下の内容は、あくまで一般的に言われる「サイコパス(Psychopath)」的性質をもつ性加害者に関する知見をまとめたものであり、個別の症例や人物を診断するものではありません。サイコパスという言葉は医学的な正式診断名ではなく、臨床心理学や犯罪心理学の領域で特定の性格傾向を示す際に用いられる概念です。個々のケースによって事情は異なるため、最終的な判断は専門家による総合的な評価を必要とします。以下は「サイコパス的性質」とされる特徴を念頭に、性加害の様相を解説するとともに、その行動特徴・見分け方を概説します。


1. サイコパスの主な特質

サイコパスと呼ばれる人物にしばしば見られる特徴として、犯罪心理学や臨床心理学では以下のような特質が指摘されています。

  1. 良心の欠如・共感性の乏しさ
    • 他者への思いやりや罪悪感を感じにくい。
    • 被害者の苦痛や負担に対して無関心な態度を示すことが多い。
  2. 表面的な魅力(口達者・社交的)
    • 第一印象は非常に魅力的に映る場合がある。
    • 話術や社交スキルを駆使し、信頼を得やすい。
  3. 慢性的な嘘つきと操作性
    • 虚言を日常的に用いたり、他者を自分の思い通りに操ろうとする。
    • 自己中心的で、自分の目的達成のためには手段を選ばない。
  4. 刺激追求性・衝動性
    • 退屈に耐えられず、新奇な体験や強い刺激を求める。
    • 計画性に乏しい衝動的な行動をとる場合もあれば、目的のために緻密に策略を立てるタイプもいる。
  5. 責任転嫁・学習の困難
    • 自分の非を認めず、責任は他者や状況に押しつける傾向がある。
    • 社会的・法的な制裁を受けても再犯率が高い。

2. サイコパスの性加害者が起こす性犯罪の特徴

2-1. 自己中心的かつ反社会的な行為

サイコパスの性加害者は、自己の欲求を満たすことを最優先とし、被害者の苦痛や恐怖心を軽視する、あるいはまったく意に介さない傾向があります。彼らにとっては「自分の欲求の達成」が何よりも重要であり、相手の同意や尊厳を考慮しない場合が多いです。

2-2. 計画性・巧妙さ

サイコパスのなかには衝動的に行動するタイプもいれば、極めて計画的・巧妙に手口を練るタイプも存在します。とくに後者の場合、周囲の警戒心を解くために周到な準備をする、外面がよいので周囲から信頼を集めやすい、などの理由で発覚が遅れることがあります。

2-3. 被害者との関係性操作

  • 親密な関係を装う
    たとえば恋人関係や夫婦関係・知人関係など、親密な相手に対して支配的・強制的な性行為を行う場合があります。
  • 相手を巻き込む・依存させる
    相手の弱みや共依存的な状態を利用し、心理的に逃げられなくすることで性加害を継続することがあります。
  • 権力構造の利用
    上司と部下、教師と生徒など、上下関係を利用して相手に抵抗しにくい状況を作り、加害を継続することもあります。

2-4. 自己正当化の強さ・反省の乏しさ

罪悪感を感じるどころか、**「相手が誘っていた」「自分にも言い分がある」**などと強く主張し、被害者を非難する態度を示すケースが多いです。
また、逮捕や処罰を受けても、他者や環境のせいにするなど、反省や再発防止への意識が低いという特徴が見られます。

2-5. 冷淡かつ口達者な二面性

外面としては非常に礼儀正しく人当たりが良いため、周囲が「まさかあの人が」という驚きをもつほどの二面性を見せることがあります。被害者が訴えても信じてもらえないケースもあるため、事件として表面化しづらい場合もあります。


3. サイコパスの性加害者を見分ける際のポイント

実際には、サイコパス的な要素をもつ人を「確実に見分ける」のは簡単ではありません。特に性犯罪の加害者はターゲットへの接近や信頼構築を巧みに行うため、外見上は好印象を与えることが多々あります。ここでは、周囲として注意すべきサインをいくつか挙げます。

  1. 言動の不一致・虚言癖
    • 普段から話が極端に大げさ、あるいは論理が破綻しているのに本人は平然としている。
    • 話をするたびに内容が食い違うなど、嘘が多いのに周囲を操作してバレにくくしている。
  2. 被害者を軽視する言動
    • 性的な対象を「モノ」のように扱ったり、尊厳や感情をまったく考慮しない発言がある。
    • 明らかに相手が嫌がっている、苦痛を感じている状況でも意に介さない。
  3. 責任回避・攻撃的な反論
    • 自分の行動について追及されると、激しく逆ギレしたり、相手に責任をなすりつける。
    • 「お前のせいでこうなった」「誘惑してきたのはそっちだ」と主張するなどの攻撃的・脅迫的態度をとる。
  4. 人間関係が異常に浅い、あるいは切り替えが早い
    • 利用価値がなくなると急に冷淡になったり、手のひらを返すような態度をとる。
    • 親密だったはずの相手の存在をあっさり切り捨てる。
  5. 過去の類似行為のうわさ・トラブルが多い
    • 「以前も誰かに性的に強要した」「ストーキングしていた」など、周囲から複数の不穏な噂が聞かれる。
    • 過去の職場や知人関係でトラブルを頻繁に起こしている。

4. まとめと注意点

  • サイコパス(Psychopath)という概念は、単に「冷酷」や「残酷」というイメージだけでなく、表面的な魅力、巧みな操作性、良心の欠如など複数の特徴が複合的に現れるものです。
  • サイコパス的性質をもつ性加害者は、表面上は魅力的で、周囲の信頼を得やすい反面、被害者に対しては狡猾かつ残酷な行為を行うことがあります。
  • 性犯罪としては、被害者の承諾や感情を顧みない自己中心的な行為が目立ち、見えにくいところで継続的に加害を行うケースも多いです。
  • 見分け方としては、「言動の不一致・虚言」「被害者を軽視する態度」「責任転嫁や逆ギレ」「浅薄な人間関係」などのサインに注意が必要ですが、素人判断は危険でもあります。何か不審な点や被害を感じた場合は、早めに専門家(警察やカウンセラー、弁護士など)に相談することが望ましいでしょう。

最後に

サイコパス的特徴をもつ性加害者は、社会適応能力が高い場合もあるため、外見や肩書きだけでは判断ができません。日頃から「相手の言動が一貫しているか」「自分や周囲を過度に操作しようとしていないか」「被害に遭った人がいないか」など、冷静に観察することが必要になります。もし、自分自身や周囲の人が被害にあっている・またはあいそうな場合には、可能な限り速やかに専門家に相談し、具体的な対策を講じることをおすすめします。

 

o1-pro
サイコパスの性加害者が女性にとって魅力的に映る理由を解説してもらえますか。
ChatGPT
サイコパスの性加害者が女性にとって魅力的に映る理由
1m 3sの間、思考

以下の解説は、いわゆる「サイコパス(Psychopath)」と呼ばれる特性をもった人物の一般的傾向や、実際に被害事例の報告などから推測されるポイントをまとめたものです。個々のケースによって事情や性格は異なりますので、一律に当てはまるわけではありませんが、「サイコパスの性加害者がなぜ女性にとって魅力的に映ってしまうのか」という疑問へのヒントになると思われる代表的な理由を挙げてみます。


1. 表面的な魅力・口達者さ(表面的な人当たりの良さ)

  • 過剰なまでに社交的・魅力的に振る舞う
    サイコパスは初対面の相手や周囲の人に対して、あたかも“理想的なパートナー”“できる人物”のように見せるのが上手です。

    • とくに恋愛のシーンでは、ユーモアやボディタッチ、アイコンタクトなどを適度に使いながら、好印象を与えるようにふるまうことが多いです。
    • 高いコミュニケーション能力や話術を駆使し、自信あふれる印象を与えます。
  • 自己演出に優れている
    サイコパスは自己中心的である反面、自分を魅力的に見せるための“演出”に長けているとされます。身なり・言葉遣い・立ち居振る舞いのすべてが、「魅力的に映るため」の手段として利用されることがあります。

2. 自信・自己肯定感の高さ(恐れ知らずの姿勢)

  • 恐怖や不安を感じにくい傾向
    サイコパスは、罪悪感や不安感が極端に薄いとされています。その結果、まわりを気にせず大胆な行動をとることが可能となり、その「度胸のよさ」「堂々とした態度」が魅力的に映ることがあります。
  • 高いリスクテイクへの憧れ
    従来の心理学研究によれば、多くのサイコパスは強い刺激やスリルを好むため、行動に“スリリングさ”や“冒険心”が加わります。

    • 女性によっては、そうした刺激的・自信満々の態度を「頼もしい」「カッコいい」と感じることがあるため、近づきやすくなってしまいます。

3. 相手(被害者)の欲求を巧みに読み取り、合わせる操作性

  • 共感性は乏しいが、人の感情を読む“技術”には長けている
    サイコパスは、他者の痛みや悲しみに共感しづらいとされますが、人の欲望や感情を把握する観察力・分析力が高いことがあります。これは「共感してあげたいから理解している」のではなく、「自分の利益のために相手を操作する目的で理解している」点が特徴です。
  • “理想の相手役”を演じる
    被害者となる女性が求めているもの(愛情、認知、金銭、安心感など)を巧みに察知し、それを演出するのが上手です。

    • たとえば、ロマンチックな言葉や小さな気遣いを使い、女性が“求めていた男性像”に擬態するケースがあるため、「この人こそ私の運命の相手かも」と錯覚しやすくなります。

4. ミステリアスな雰囲気とギャップ

  • 二面性・ミステリアスな魅力
    サイコパス的な人は状況に合わせてコロコロと表情や態度を変えることがあり、一見「捉えどころがない」「ただ者ではない」雰囲気を醸し出します。

    • この謎めいた感じに惹かれ、もっと知りたい・もっと理解されたいと女性が深入りしてしまうことがあります。
  • “甘い瞬間”と“冷酷な瞬間”とのギャップ
    ときには信じられないほど優しい振る舞いを見せ、時に冷酷に突き放す…という振れ幅の大きい態度は、相手に強いインパクトを与えます。

    • 女性側が「どうして急にこんなに冷たいの?自分が悪いのかも」と考え込んでしまい、かえって相手を“追いかける”心理状態に陥ることもあります(いわゆる「ミラリング」「ガスライティング」の一環)。

5. 社会的地位や権威を利用する場合も

  • 高い社会的地位・権力を持っている場合
    サイコパスの特徴には、必ずしも犯罪者や反社会的行為に走るだけでなく、組織や社会の中で非常に成功を収めるタイプも含まれます(いわゆる“成功したサイコパス”)。

    • CEOや医者、政治家など、社会的にステータスのある立場で、カリスマ的な存在となり、女性にとって魅力的に映る要因になることがあります。
  • 強い経済力や影響力を誇示
    権力や金銭的支援などをちらつかせ、相手にとって「頼もしい存在」であるかのように示すことで、被害者が心理的にも経済的にも離れにくい状態を作ることもあります。

6. 被害が発覚しにくい背景

  • 周囲からは“いい人”に見える
    サイコパスは他者の評価を非常に意識しており、必要に応じて社交的・魅力的な側面を外部にアピールします。そのため、第三者から見ると「そんな悪い人に見えない」「むしろ好人物」だと思われがちです。

    • 被害女性が「実はこんなひどいことをされている」と訴えても、「あんなに優しくて魅力的な人が?」と周囲に信じてもらえないケースが起こります。
  • 被害者自身も混乱しやすい
    周囲の高評価や、加害者がときどき見せる優しさ・魅力に惹かれ、「実は自分が間違っているのかも」「相手のために自分が我慢すればいいのかも」と感じてしまうこともあります。これにより脱出が遅れ、加害が長引く傾向があります。

7. まとめ

サイコパスの性加害者が女性にとって魅力的に映る理由としては、**“表面的な魅力・口達者さ”“自信に満ちた態度”“相手のニーズを正確に読み取り、それに合わせて行動する操作性”**など、複数の要因が挙げられます。さらに、権力・経済力や社会的ステータスを利用して「頼もしさ」「ステータスの高さ」を演出することで、相手を惹きつけるケースも少なくありません。

しかし、その“魅力”や“優しさ”は本来の共感や思いやりに基づくものではなく、自分の目的(性的支配や搾取)を達成するために演じている場合が多い点に注意が必要です。こうした加害者と関わった被害者は、自分の感覚を疑ったり周囲に打ち明けづらい状況に陥りやすいことも特徴です。

もし、自分や周囲の人が「魅力的ではあるが、何か違和感を覚える」「言動に一貫性がなく、振り回されている」と感じた場合には、早めに専門家や信頼できる人に相談することが大切です。被害が顕在化しづらい分、支配関係が深まってから気づくケースも多いため、異常なまでのコントロール感や自尊感情の低下を感じたら、警戒を怠らないようにしましょう。

 

何故、サイコパスはわざわざ女性を傷つけることをわかっていながら、女性に対して性的支配や搾取をするのでしょうか。そんなことをしなくても世の中には楽しいことはいっぱいありますし、あえて傷つけることをする理由が理解困難です。
ChatGPT
サイコパスの性加害行動の動機
55 秒の間、思考

以下の解説は、あくまで「サイコパスの特徴」として一般に論じられる内容や、犯罪心理学で言われている知見をもとにしたものであり、すべての事例に当てはまるわけではありません。ただ、サイコパスと呼ばれる特性をもつ人が「わざわざ他人を傷つける行為に及ぶ理由」を考えるうえで、参考になる点をまとめてみます。


1. 他者への共感・罪悪感の著しい欠如

– 「傷つけている」という認識の希薄さ

  • サイコパスは、一般的に「他者の痛みや苦しみに対する共感」を感じにくいとされています。そのため、「相手を傷つけている」という認識を、そもそも深く持ちにくい傾向があります。
  • 理解はしていても、「相手を傷つけることに対して罪悪感を覚えない」「自分が得をするなら手段を問わない」など、良心のブレーキが働かないことが少なくありません。

– 「女性を傷つける」ことの重大性を共有できない

  • 多くの人にとっては、「他人を傷つける行為=よくないこと」という道徳観が根底にあります。しかしサイコパス的気質の人は、「他人が苦しんでいても自分には関係ない」と感じるため、社会通念や道徳よりも自己の快楽や利益を優先しがちです。

2. 支配・搾取がもたらす“快感”や“利益”

– 支配欲・征服欲による刺激追求

  • サイコパスが性的支配や搾取に走る理由の一つに、征服感権力欲を満たす快感が挙げられます。
  • サイコパスは刺激を求めやすく、「平凡な行為」では退屈してしまうため、人を支配する行為に独特のスリルや興奮を感じる場合があります。

– 損得勘定を重視する

  • 他人を利用することで手軽に得られる「金銭的・身体的・心理的利益」が魅力的に映ることがあります。
  • たとえば、相手をコントロールすることで性的欲求を満たすだけでなく、金銭や社会的地位などのリソースを手に入れられると考えれば、「わざわざ傷つけなくても楽しいことがある」という発想に至らないことも多いのです。

3. 自己中心的な思考構造

– 他人を“目的達成の手段”として見る

  • サイコパスは自己中心的な性格傾向が強く、自分が望むものを得るために他人を「手段」として扱います。
  • そのため、相手の気持ちや苦痛は「道具を使う時に多少傷つけるのは仕方がない」程度にしか捉えず、相手の幸福や人権は考慮されにくくなります。

– 「他人をコントロールすること自体」が自己実現

  • そもそも“人を操ること”に快感を覚える人もいます。自分の力で相手を自由に動かせると感じることが、自己存在の証明優越感につながるのです。
  • これは「スリル」や「征服感」が合わさった複合的な欲求として現れ、サイコパスにとっては一種の“楽しみ”とも言えます。

4. 道徳や社会規範とのズレ

– 一般人の「楽しいこと」との感覚差

  • 多くの人は「友人と遊ぶ」「趣味を楽しむ」といった社会的に肯定的な活動に喜びを見いだします。しかしサイコパスにとって、そうした一般的な楽しみは「退屈」「生ぬるい」と感じられることがあります。
  • サイコパスは高い刺激を求め続ける傾向があるため、違法性やリスクがある行為でも「むしろ楽しい」「スリリング」だと感じることが少なくありません。

– 罪悪感よりも報酬感が上回る

  • 通常の感覚では「良心の呵責」や「捕まったらどうしよう」といった恐怖がブレーキになりますが、サイコパスはその抑止力が極めて弱いか、ほとんど働かない場合があります。
  • つまり、危険行為や犯罪行為によるリスクよりも「そこで得られるリターン(刺激、支配感、利益)」に強く惹かれるため、「いくらでも楽しいことがあるだろうに、なぜわざわざ?」という疑問が通用しづらいのです。

5. 社会的・道徳的視点が不足している

– 「社会ルールを守る意義」を感じていない

  • サイコパス的傾向の強い人は、社会のルールや道徳を「守らないと不利益があるから仕方なく守るもの」といった形で捉えていることが多いです。
  • そのため、ばれなければ、あるいは罰を逃れられれば、社会的ルールを破ることに抵抗がありません。

– “悪いことだからしない”という抑制が働かない

  • 一般人は「他人を傷つけること=悪いことだ」という価値観から自然にブレーキがかかります。しかしサイコパスの場合、その価値観や倫理感が欠如しているため、自分がやりたいならやるという判断に直結しやすいのです。

6. まとめ:なぜ理解困難なのか

あなたが「そんなことをしなくても、他に楽しいことはいくらでもある」と感じるのは、相手の苦痛への共感や倫理観を前提にしているからです。ところが、サイコパスはそうした前提を共有しない(あるいは極めて弱い)場合が多いため、一般人の道徳観や感性に沿った“楽しいこと”が心から満たされるものとしては機能しにくいのです。

  • 共感性の欠如刺激・リスク追求型の欲求
  • 他者を道具扱いする自己中心性罪悪感・恐怖心の欠如

これらが複雑に絡み合うことで、「あえて他人を傷つける行為」に向かうことを、不思議とも思わず、むしろ“自分なりの楽しみ”として捉える場合があります。そこが、多くの人にとって理解困難と感じられる最大のポイントです。


最後に

もちろん、サイコパスといっても個人差がありますし、すべてのサイコパスが必ず他者を傷つけるわけではありません。しかし、**「共感や良心の欠如」「自己中心的な行動」「高刺激への欲求」**といった要素を持つ人にとっては、他者への搾取や支配は“理に適った行為”だとさえ映る場合があるのです。
こうした思考様式は、共感的・道徳的な視点を重視する人にとって、やはり理解しづらいものと言えます。そのギャップこそが、サイコパスがしばしば社会や周囲との間に生じさせる大きな摩擦なのです。