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薬院法律事務所

刑事弁護

盗撮事件、被害者不明、盗撮映像がなくても処罰できるか?


2019年06月15日読書メモ

時折ある質問ですが、警察官向けの文献があります。

『クローズアップ実務 地域警察官のための軽微犯罪の措置要領』(2010年、2016年第5刷)193ページ

Q、甲は,電車内において,乗車中のA女(25歳)のスカートの下から股間をカメラ付き携帯電話で撮影していたところを,会社員に目撃されて取り押さえられた。しかし,A女はそのまま立ち去ってしまい, また甲を警察に突き出したところ,カメラ付携帯電話の記録媒体には画像が記録されていなかった。

A、
甲の行為が, 「卑わいな行為」であることに疑いはない。また,被害者が立ち去る等して,被害者からの供述が録取できなかったとしても,逮捕者や目撃者からの供述により 「実害発生の可能性がある卑わいな言動」が立証できれば,迷惑防止条例違反事件として送致することは可能である。
問題は, 「盗撮」行為の処罰規定がある条例の適用であるが,行為自体は「卑わい(粗暴)行為」に該当しているのであるから,撮影した画像が記録媒体に残っていない場合であっても,通常の「卑わい(粗暴)行為」の罰則を適用すればよい。
このような事件を立件するに当たっては, 目撃者から目撃情報等を詳細に録取した参考人供述調書を作成し調書化するとともに,その内容に整合した実況見分調書を作成することが必要である。」

また、防犯カメラの映像から、自白や盗撮映像がない事例で有罪としたものがあります。

渡辺裕也「最新・判例解説 広島高裁松江支部平成28年2月26日」(捜査研究790号28頁)

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(鳥取県) 3条1項3号の「卑わいな言動」について,その判断は通常一般人の立場から行うことを示した上で,女性のスカート下に「スマートフォン様のもの」を差し入れた行為が「卑わいな言動」に該当すると判示した事例

広島高等裁判所松江支部判決平成28.226(広島高等裁判所刑事裁判速報平成28年2号,上告棄却・確定)