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薬院法律事務所

盗撮案件と勾留の要件

2018年11月21日読書メモ

伊丹俊彦・合田悦三『逐条実務刑事訴訟法』136頁に盗撮案件の勾留に関する重要な記述がありました。

同書は今後、弘文堂の条解刑事訴訟法に代わる存在になると思います。近時の実務運用について具体的に踏み込んだ記載も見られます。条解刑事訴訟法は昭和59年初版なので、記述の一部にはやや古さもあると思います。

 

このまま意見書で利用できそうです。

60条の解説
「今日多い事件としていわゆる盗撮(条例違反)事件があり、事案の性質上、自宅に過去の盗撮画像データ(常習性に関する重要な証拠となる。)が保管されている蓋然性が高く、捜索差押が未了の場合にはそのデータを消去することが容易であって、罪証隠滅のおそれが一定程度想定される。しかし、一般には法定刑は重くないことからすれば、最終処分の見込みに加え、被疑者が常習性を含めて事実関係を自認し、データの消去をしない旨確約しているかどうかなどを勾留質問等を通じて勘案し、罪証隠滅のおそれが強いと認められるかどうかを十分検討すべきであろう。家庭内における暴行、傷害等の事件では、被害者と離れて生活できる環境が整っているかどうかが重要であろう。罪証隠滅や逃亡のおそれを低くするために、被疑者・被告人や近親者等に一定の誓約をさせるなどの工夫も実務上行われている。」