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薬院法律事務所

刑事弁護

内藤恵美子「最高裁判所判例解説 スカート着用の前かがみになった女性に後方の至近距離からカメラを構えるなどした行為が、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるとされた事例 最高裁令和4年12月5日刑集76巻7号707頁」(法曹時報75巻12号236頁)


2024年01月31日刑事弁護

重要判例です。最高裁の調査官による解説が出ています。

今後、迷惑行為防止条例の「卑わいな言動」については必読文献となるでしょう。

「後ろ姿の盗撮なら大丈夫」と考えている人もいるようですが、もはやそういうことはなくなっています。

処罰されるか否かは微妙な問題ですので、弁護人の活動が重要になります。事件として立件された場合、立件されそうな場合は、弁護士に面談相談をして、しっかりと分析して対応する弁護士を選ばれてください。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91574

事件番号
令和4(あ)157
事件名
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)違反被告事件
裁判年月日
令和4年12月5日
法廷名
最高裁判所第一小法廷
裁判種別
決定
結果
棄却
判例集等巻・号・頁
刑集 第76巻7号707頁
原審裁判所名
東京高等裁判所
原審事件番号
令和3(う)326
原審裁判年月日
令和4年1月12日
判示事項
スカート着用の前かがみになった女性に後方の至近距離からカメラを構えるなどした行為が、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるとされた事例
裁判要旨
開店中の店舗において、小型カメラを手に持ち、膝上丈のスカートを着用した女性客の左後方の至近距離に近づき、前かがみになった同人のスカートの裾と同程度の高さで、その下半身に向けて同カメラを構えるなどした本件行為は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たる。
参照法条

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)8条1項2号

 

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伊藤梨奈「実務刑事判例評釈(case 337)最決令4.12. 5手に持った小型カメラを女性のスカートの裾と同程度の高さからその下半身に向けて構えるなどした行為が、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(東京都)の「人を著しく差恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるとされた事例」警察公論2023年10月号85頁

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