性加害者の心理についての考察(サイコパス、不同意性交等、独身偽装、グルーミング)
2024年01月14日刑事弁護
私が、弁護士業務を通じて感じた、性加害(私は「性的なことで、意図的に相手に強い苦痛を与える行為」と定義します)をする人の心理的傾向と、再犯防止のための対策を書いてみます。もちろん、私が乏しい知識と経験を基に考えた仮説に過ぎませんし、網羅的なものでもありません。私が悩みながらいろいろ考えたことが誰かのヒントになるかも、という思いで書いています。
まずもっとも強調したいことですが、性加害、特に不同意性交は、非常に強い「苦痛」をもたらします。被害者に深い精神的・肉体的打撃を与えます。性加害が与える打撃の大きさについては、近年ようやく目を向けられるようになったのですが、被害者の人生に大きな影響を与えます。そして、性加害による苦痛は、被害者だけに留まりません。被害者家族にも、加害者家族にも深い苦痛をもたらします。
さらに、これは、刑事弁護人がいうことかと思われるでしょうが、刑事裁判という制度も、えげつないと思うことがあります。第三者が傍聴できる公開の法廷で行われるということもそうですし(憲法上やむを得ないのですが)、証人尋問という制度が本当に性加害の被害者の供述の吟味に適切な制度か強く疑問を持っています。性加害の被害者の記憶は変容しやすく、供述も変遷しやすく、反対尋問で弁護人から糾弾されることにより矛盾した発言をしてしまうことは十分考えられます。弁護人からいえば、証人尋問をせざるを得なくなるのは、捜査段階できちんと捜査官が供述を吟味できておらず、裏付け捜査をして被害者や関係者の証言の真実性を担保できていないことが原因だったりするので、弁護人が責められるのは筋違いという場合もありますが…
なので、私としては性加害が減っていくことを望んでいます。そのためには、加害者が、性加害となる行動を、何故するのか?を突き詰めていくことが大事だと考えています。再犯防止だけではなく、将来の加害者・被害者を出さないためにです。
現代日本においては、性加害のうち、性犯罪となるものに対しては一定の刑罰と社会的制裁があります。そして、性犯罪とされない性加害についても、セクシャルハラスメントなど民事上の賠償責任や社会的制裁があります。かつ、性欲の発散を手助けする様々なポルノや風俗産業があります。その状況下で、あえて「性加害となる性行動」を選択する人たちには、やはりそれなりに理由があると思っています。再犯を防止できれば新たな被害発生は防げますし、子育てのヒントになるかもしれない、そう思っています。
特に、私は、「衝動的で」、「相手の苦痛が一切自分の苦痛にならず」、「呼吸するように嘘をつく」サイコパスの性加害者の存在が十分に意識されていないと感じていますので、その存在が「常識」となることを願っています。
1.不同意性交・不同意わいせつ(痴漢含む)事件
不同意性交をする人には、色々なパターンがあります。
暴力や脅迫、騙しうちなど「相手に苦痛を与える手法」で相手の人格を抑圧して性交をする人は、サイコパスで相手の苦痛を感じないので、相手をコントロールする手段として実行しているパターンと、相手の感情を読み取る能力が低く、相手の「拒否」をきちんと受け止められていないパターン、虐待を受けて育ち「暴力」で相手を支配しないと不安で性交できない(あるいは暴力を振るう側に立つことで自己肯定感を取り戻している)パターンなどが考えられます。
このうち、際立って危険なのが「サイコパスで相手の苦痛を感じないので、相手をコントロールする手段として実行しているパターン」です。私は、性犯罪の原因を性欲でなく支配欲とする立場は、サイコパス性犯罪者を観察して言われているのではないかと考えています。すべての性犯罪を支配欲で説明することはできませんが、サイコパス性犯罪者についてはその説明があてはまることが多いだろうと考えています。
※ロバート・D・ヘア『診断名サイコパス 身近にひそむ異常人格者達』(早川書房,2000年8月)179-181頁
【性的暴力と暴力亭主
レイプは、サイコパスが暴力を冷酷かつ利己的な道具として使う恰好の例だ。むろんすべてのレイプ犯がサイコパスではなく、なかには情緒障害の著しい者もいる。ほかのレイプ犯は、女性を従属的な性として退ける文化および社会の産物だ。こうした男性たちの犯罪は、社会から見れば不快だし、被害者にとってはおそろしい心的外傷をのこすことになるけれども、サイコパスに引き起こされるものにくらべればまだ理解できる。
おそらく、連続および累犯的レイプ犯の半分はサイコパスだ。彼らの所業は、さまざまな要因の交錯の結果と見ることができる。性衝動や妄想のはけ口、力や支配に対する欲望、被害者を快楽ないし満足の対象物としてしか見ない感覚など。こうした交錯は、マスコミから〃紙袋レイプ犯″というあだ名をつけられた男ジョン・アウトンの場合を見ればよくわかる(子供や女性をレイプするとき、かならず紙袋をかぶっていた)。アゥトンは、司法精神科医によって、サイコパス、すなわち良心に欠け、人を操作することがうまく、自己中心的で、不実で、愛情を受け入れる能力に欠けている人格であると同時に、「被害者に心理的プレッシャーをかけることによって性的興奮を得る」性的サディストであると診断された。
また、最近では家庭内暴力に対して一般の認識が広がり、それを容認しない風潮がおおいに高まってきた。その結果、アメリカではそのような粗暴な者を家族が思い切って告訴したり、法廷命令による治療を受けさせたりしている。配偶者に暴力をふるう原因や力学は複雑で、経済的、社会的、心理的要因が山ほどあるが、妻にしつこく暴力をくり返す者のなかにはサィコパスが大勢いる、という証拠がいくつかある。】
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000090241/
※こころの科学188号(2016年7月号)「犯罪の心理」
奥田剛志「性犯罪をする人たち」
40頁
【過去の研究をみると、サディスティックな性犯罪をする人には、大きく二つのタイプがあるといわれている。それは日常生活の仕方に表れるといわれていて、一つめは、風変わりで、人付き合いを避け、孤立しがちな人たち(回避性やスキゾイド)で、二つめは、自分のことしか考えず、目的のためなら手段を選ばず他の人たちを道具のように操る人たち(サィコパス)である。そして、どうやら彼らは、人が苦しむのを見るのが本当に心地よいようだ。何が楽しいのか?それは、自己顕示欲が満たされ、また、相手が苦しむ様子を見ることが快感であるようである。これは、相手がどう思うかを想像するのがよいわけではなくて、自分の頭の中で、自分を強くてすごいヤツだと思えることがどうも大切らしいことを意味している。】
https://www.nippyo.co.jp/shop/magazine/7135.html
サイコパスのパターンは、昔は深夜に路上で襲うという手法が多かったと思いますが、防犯カメラの普及により、マッチングアプリで知り合った相手を狙うといったより犯罪として処罰されにくい手法を選択していると推測しています。サイコパス男性が女性を狙う場合は、「理想的な、優しくて、頼りがいのある男性」などに擬態することで近づきます。そして、「彼氏」に擬態して、「交際」を開始し、交際後に徐々に本性を現し、DVを繰り返して相手を「奴隷化」するといったことが考えられます。ここで「交際」と括弧書きにしているのは、実際は「交際」ではないからです。相手が「彼氏」と思い込むように、過去の経験や、女性向けの記事、女性向けのフィクション作品などで「学習」し、「行動パターン」を「調整」しているに過ぎません。すべてが「擬態」です。
DVの本質については下記の参考記事にある「草柳和之「効果的なDV被害者支援のために : 被害者ファーストを探求する」家庭の法と裁判46号(2023年10月号)」を是非ご覧ください。日常生活をコントロールすることで、「認知のゆがみ」を埋め込んで、被害者に「罪悪感」を持たせて操るのです。因縁をつけて「謝罪」させるといった手口を使うこともあります。サイコパスは「ことば」の持つ影響力を良く理解していますので、被害者に対して「むしろあなたが加害者だ」と思い込ませることで操ろうとするのです。そのために、執拗に「謝罪」のことばを引き出そうとしてきます。自分こそが「被害者であり」、相手は「加害者である」とすることに固執します。周囲から状況を見れば、全く逆であってもです。もちろん、男女が逆パターンであることもありますし、同性同士ということもあるでしょう。
文献紹介 草柳和之「効果的なDV被害者支援のために : 被害者ファーストを探求する」家庭の法と裁判46号(2023年10月号)
あるいは、密室で、いきなり性加害をするパターンもあります。この場合、密室での性加害の後に、優しくするというのも良くある手口でしょう。「被害申告」をさせないための手段であり、「あなたのことを好きすぎたのでこんなことをしてしまった」などと相手に思わせる手法の一つです。性犯罪被害者の「性犯罪被害者になりたくない」という心理につけ込む手法です。そうすると、被害者は信じたくなって「迎合メール」を送ったりしますので。性交中の写真を撮るというのも、良くある被害申告を抑圧する手口です。
ただ、警察もこういった手口はわかっていますので、後の「迎合行動」があってもそれで最初の「不同意性交等」が成立しないとは見ません。そして、犯人の逮捕と捜索差押によりデータを回収できることもありますし、実名報道により余罪が炙り出されて他の被害者が救われることもあります。なので、このページをご覧になって心当たりのある方は、是非今からでも警察に相談して欲しいと思っています。自分の事件は立件できなくても、最近の事件について、過去にも同種行為をしていた、ということが、最近の事件を処罰する決め手になることもありえます。
サイコパスは、魅力的に振舞えることが多いので、一見そんなことをするように見えなかったと言われたり、再犯防止のための「治療者」に対しても彼ら・彼女らが望むような姿を見せて振舞うことができるので、治療者に「好感」を持たれることすらありえます(実際に彼らのしたことはすさまじい犯行でも、彼らは「模範的」と好まれ、「盗撮犯」などの方が嫌悪されることもありえます)。
彼ら(彼女ら)は、情動的共感性が乏しいので、「倫理」や「罪悪感」アプローチは意味がありません。ひとつ文献を引用します。
※日本弁護士連合会『令和3年度研修版現代法律実務の諸問題』(第一法規,2022年8月)461頁~
一般社団法人もふもふネット代表理事、大阪大学大学院人間科学研究科名誉教授 藤岡淳子
コーディネーター弁護士 竹中らく
「性犯罪の理解と対応-弁護士に知っておいて欲しいこと-」
471頁~
【3やんちゃ系
さらに「やんちゃ系」というものもあります。若い頃に、比較的軽い集団非行の経験があるなど、性犯罪者としては少し違う肌触りです。強制わいせつか強制性交が一般的で、外向的なタイプで、一緒になって行動する男性の仲間がいます。地域の「ちょい悪仲間」や学校の「ナンパ仲間」、会社の同僚などです。内省的な感じではなく、あまり考えることは得意ではありませんが、現実的な課題に取り組んでいくことができ、性犯罪者の中では、他の非行ができるぐらいの方が、わりと改善しやすいのではないかと思っています。性行動と社会生活について、向社会的な価値観・態度に修正していくことが必要です。
もふもふネットに来て、治療を受けようという人たちは、社会の中でやっていこうという姿勢はあるので、その方が自分にとってよく、得だと感じれば、来て学んでいくことができます。これまで述べたような非社会系の人とは、少しテイストが異なっています。グループの中にいても何か少し違う、わかり合えない感じはありますが、ある意味で別の男性のあり方のモデルにもなる人たちです。
①ありそうな事例-強制わいせつのEさん
例えば、強制わいせつの事例のEさんは、四○代で自営業をしていて、妻子もあります。中学高校時代に、多少不良交友があって、バイクを乗り回していましたが、警察沙汰になることまではありませんでした。ただし、父親と母親の仲が悪く、高校卒業後、家を飛び出して、住み込みで板前になっています。若くして、高校時代の女友達と結婚をし、自分は別に好きではなかったが、「結婚してくれっていわれたから、結婚した」などと言いながら、結婚直後からずっと浮気をしていました。
しばらくは板前の仕事を続けながら、子育てもしていましたが、父母の仲が悪かった実家が倒産の危機となり、頼まれて戻って家業を継ぎました。ところが、妻や父母との折り合いが悪くなり、自分ばかり損しているような気になって、気晴らしのため強制わいせつのアダルトサイトをみるようになりました。そして、アダルトサイトそのままに、夜、女性を後ろから襲って逮捕され、服役しました。アダルトサイトで、眼鏡のところにカメラをつけて、それで女の人の後をずっとつけていって、後ろから襲うという、非常にリアルな犯罪の動画があるらしく、それをみて、同じことをやったという人は、他にも何人かいると聞いたことがあります。
取調べに対しては、事件時の記憶がない、覚えていないと主張していました。刑務所を出てからもふもふネットに来るようになり、妻と同居し、子供も育てていて、いまは自営業をきちんとやって安定しています。非行系の人の場合は、他の性犯罪者に比べると、世間でいうところの男らしさのような感じはあります。
②ありそうな事例-強制性交のFさん
強制性交の事例のFさんは二○代の会社員で、高校時代にサッカーのクラブ活動を非常に熱心にやっていました。団体のスポーツクラブでは、ナンパをたくさんしたというような女性関係の自慢話を日常的にしていることも多くみられ、メンバーの中にはそのような影響を受けてしまう人が多くいるようです。Fさんもそうした一人で、会社に入ってしばらくして、飲み会で多量飲酒して、トイレに行ったときに、女子トイレから出てきた見知らぬ女の人に強制性交して、その場で逮捕されています。
家庭内には少し男尊女卑的な価値観があるのではないかと思います。Fさんはナンパもたくさんしていて、すぐにセックスができていたので、「セックスはそんな大変なものだとは思っていなかった」と、わりと悪びれず言います。しかし、いろいろな人に助言を求めて、どのようにしたら向社会的に生きていけるのかという価値観やふるまい方を学んでいって、いまは、新しい会社で営業職をやりながら、生活も安定しています。Fさんのような人たちも比較的、治療的な介入がうまくいくようです。】
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/104486.html
この2つの想定事例ですが、路上で知らない人に強制わいせつ・強制性交をするという犯罪態様に加えて、過去にずっと浮気をしていたとか、集団非行だとか、取調べで否認するとか、悪びれないところとか、そういった行動から、私はサイコパスではないかと考えています。【鬼畜系】と呼ぶのがもっとも適切でしょう。「アダルトサイトを見たからだ」とか、「スポーツクラブのメンバーの影響」だとか、そういう「他人のせい」「社会のせい」にすることも重要なポイントです。「強制わいせつのアダルトサイトを見る」ことと「実際に女性を襲う」こと、「ナンパ」と「女子トイレから出てきた見知らぬ女の人に強制性交する」ことは全く違う行動です。後者は、いずれも「目の前の相手に強い苦痛を与える」という決定的な違いがあります。犯罪が行われる情景を想像してみれば、他者に対する共感性を持っていれば、およそ出来る犯罪ではないです。彼らが不同意性交をする本当の理由は「相手の苦痛を自分の苦痛として感じる心がないから(情動的共感性を欠くから)」です。ただ、「学習」により、「犯罪者として拘束されない」生き方を学ぶことは可能でしょう。あくまで自分のためですが。
彼らは、端的にいえば「欲情した相手となにがなんでも性交する」という結論とそれに向けた行動があり、その後にそれを「正当化」するための「嘘」を作り出しているだけです。不同意性交をした後で、それを正当化するために「女が誘ってきた」などと様々な嘘をつきます。情動的共感性が欠けているというのは、そういうことです。
大事なことですので強調しておきますが、彼らの「嘘」に騙されてはいけません。証拠を突き付けられ逃げられなくなると「反省したふり」をしますが、「反省したふり」です。「反省をしたふり」をするなかで、次は、自分の罪を軽くするために「アダルトサイトのせいだ」などと責任転嫁をしてきます。「虐待を受けていた」などと嘘をつくパターンもあります。そういえば、騙されて「同情」してしまう人がいるからです。彼らは、支援者・治療者を「観察」して、相手が望む姿に「擬態」することに長けています。「ポルノが性犯罪の原因だ」と思いたい人に対しては「ポルノの影響で性犯罪をした」といい、「幼少期の虐待が性犯罪の原因だ」と思いたい人には「幼少期の虐待のため性犯罪をした」といい、「男尊女卑の文化が性犯罪の原因だ」と思いたい人には「男尊女卑の文化のせいで性犯罪をした」と言い…要するに「自分以外の誰かが悪い」ということを言います。彼らの行動を、証拠に基づいて判断しないといけません。
※原田隆之『サイコパスの真実』(筑摩書房,2018年4月)57-58頁
【繰り返しになるが、捜査官や心理学者のような専門家ですら、サイコパスには騙されてしまうことが多い。ときに、サイコパス犯罪者は、取り調べに素直に応じたり、刑務所内では模範的受刑者となったりする。「自分は生まれ変わった」などと述べ、熱心に治療プログラムを受けたり、通信教育を受講したりする。しかし、それらはみな、上辺だけの演技であり、嘘である。大久保清は、連続殺人事件の前に、別の強姦致傷事件や恐喝事件で刑務所に入っているが、そのときには、何と刑務所内で何度も表彰され、仮釈放までもらっている。連続殺人事件を起こしたのは、仮釈放になってすぐのことである。】
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480071378/
※岡田裕子『難しい依頼者と出会った法律家に-パーソナリティー障害への理解と支援-』(日本加除出版,2018年2月)
108-110頁
【(1) 言葉巧みな嘘にごまかされず,主張の真偽を検証する
反社会性パーソナリティ障害の人は、 とても口達者です。ごまかすための咄嵯の嘘がうまく、言い逃れがうまいので、つい編されてしまうということが起こります。咄嵯に作ったストーリーとはいえ、真偽がないまぜで、全体として信ぴょう性が高いように聞こえるのです。反社会性パーソナリティ障害の人が嘘をつくことに良心の呵責を感じないために、平然と嘘をつく態度には疑いを差しはさみにくいものです。
そのような能力は、詐欺などの犯罪行為で発揮されたり、警察・検察の取調べに対して発揮されたりするだけでなく、自分の弁護人に対しても発揮されます。
(略)
他に、弁護士の同情を引くために自分の境遇について嘘をつくこともあります。たとえば少年事件などで被疑者が、「父親はアル中で暴力的、母親は男と浮気をして逃げていった。子どものころから孤独だった」などと言えば、善良で誠実な弁護士は容易に「可哀想な人だ。犯罪者となったのは境遇が悪かったのだろう。誠実に温かく接するうちに、本来の素直な気持ちが表れ、反省するのではないか」などと騙されてしまうかもしれません。実際に両親に会ってみると、きわめて良識的で立派な社会生活を営み、子どもの素行不良に心を痛めているということもあります。
反社会性パーソナリティ障害の人たちは、嘘をつくことに罪悪感を持たないし、嘘がばれたとしても恥の観念を持たないので、そういった「調べればすぐにばれる嘘」さえもつくのです。
依頼者が反社会性パーソナリティ障害の可能性があるということを感知したならば、彼らが語るストーリーの真偽について常に検証する必要があります。依頼者が、自分の有利になることを語って自分に不利になることは語りたがらない、ということは一般的にみられることですが、反社会性パーソナリティ障害の場合は、積極的に嘘をついているという可能性があるので、徹底してその裏付けを求めることが必要です。
(2) 迎合せず、毅然とした揺るがない態度を保つこと
反社会性パーソナリティ障害の人は、一見、魅力的であることが多いと言われます。どうやったら相手の気を惹くことができるのかに注意を集中し・うまく話題を選びます。「素敵な笑顔」を作って、あたかも無垢な心を持ち、たまたま何かの間違いで現在の境遇にいるかのように演じるかもしれません。しかしそれらの魅力的な振る舞いは、聞き手を自分の都合のいいように操ることを目的としていると考えるほうが妥当です。】
https://www.kajo.co.jp/c/book/06/0605/40708000001
※新聞報道を見ると、大学生による集団での不同意性交の事件や、ホストが若年女性とマッチングアプリで会って恋人のふりをして、「客」としてホストクラブに誘導したうえで、売掛金を回収するために風俗店に誘導する事例が良く見られます。私は、大学などのナンパサークル、インターネット上のナンパ師集団、ホストクラブなどで、サイコパスたちが集まって「より効率的に若年女性(あるいは若年男性)とセックスすること」「金を吸い上げること」「虐待して弄ぶこと」などを目的として、「学習」を深めているのではないかと推測しています。性加害を予防するためには、そういった集団の監視をすることが極めて重要でしょう。
※参考記事
エリート大学生による“集団性的暴行”が多発する理由
https://news.line.me/detail/oa-shujoprime/vbena07afmep
マッチングアプリで「彼女」に→来店初日に消費者金融で借金…悪質ホストクラブ新手口
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20241101-OYO1T50017/
さらに、サイコパスの人は、より効率的に、リスクなく性交をするために「フェミニスト」を装ったり、社会的弱者とされる女性を「支援」する立場にたとうとすることもあるでしょう。自己肯定感が落ちている人は、特に操作しやすいからです。このタイプの性加害をなくしていくためには、防犯カメラの整備や、独身偽装を刑事処罰の対象にする等、「性加害が発生しにくい環境の整備」と、「多くの人が心理操作の手口を学んで耐性を持つこと」が大事だと思っています。シンプルな罪と罰、誤魔化しがきかない体制を作ることで、「嘘」や「恐怖」で支配して性交する手法がこの社会では難しくなっていると判断してもらうしかないと考えています。
また、現状では不同意性交とされにくいですが、職場で上司が部下を不倫相手にするパターンもあります。セクハラ規制が厳しくなってきたことで減りつつあると思いますが、代わりにフリーランスの人に性行為に応じさせるパターンもあります。もちろん、学校などの閉鎖的な職場においては、立場を利用したセクシャルハラスメントはまだまだ多いようです。こういう場合は、表面上「同意」があるので問題が深刻になります。実際には「強いられた同意」なのですが、「同意」を表明したということで被害者の心を縛ります。この「強いられた同意」についてはDV問題に関する知見が蓄積されてきていますので、参考になるでしょう。心の底では嫌と思っていても「yes」を言わせて、その嘘を相手に信じこませることができる人たちがいます。場合によっては、相手の方が「積極的に望んだ」という形すらとらされていることがあります。モラハラによる心理操作は、男性だけではなく女性も行えますし、現に行われていることも多いです。それが「加害」であることはもっと周知されていくべきと考えています。
2.集団不同意性交・集団不同意わいせつ事件
大学のサークルなどで、複数名が、少数の人に対して不同意性交・不同意わいせつを行う、というパターンです。首謀者はサイコパスで、周囲の人も、被害者も操っているということが考えられます(もちろん全員サイコパスというパターンもあります)。そのため、従属的な立場の人は「参加しないといけないと思った」という心理で参加していることもありえますが、「言い訳だ」と批判されるので訊き出さないと黙っていることもあります。「先輩がしているから自分もしないといけない」という同調圧力を利用した手法です。
このタイプの性加害を防止するためには、性的同意について「拒否できない環境」を作ることの問題性を周知することや、同調圧力を破ることを学生に講義すること(「ノー」ということをエンパワーメントする)、「リーダー」として振舞う人、あるいは実質的にグループ全体を掌握している人がサイコパスでないかという疑いを指導者が持つこと(外面をとりつくろうことが上手ですし、指導者側も操ろうとします)が必要です。また、サイコパスではない場合は、その集団の「伝統」に従って、他の集団では不道徳ないし犯罪とされる「行為」をすることで外部に逃げられないようにするといったパターンもあります。「悪意」はなく、むしろ「やらなければ失礼」とすら思っているパターンもありえます。昭和の飲み会でのセクハラ、裸踊りをさせることなどはこれでしょう。集団に帰属させる儀式です。これは、トップが率先して廃止しないといけないものです(その意味では、実は「加害者」とされる人も「被害者」であることがあります)。
3.独身偽装(独身詐欺)
現時点ではまだ性犯罪とされていませんが、私は性犯罪にすべきと考えています。
私は加害者側の相談は受けないのですが…既婚男性が、マッチングアプリで独身と偽装して不倫をしているパターンは、男性がサイコパスのことが多いだろうと考えています。交際中に既婚者と発覚しても、現行の日本の法制度の下では性犯罪とされず、貞操侵害の慰謝料は低いし、女性側が逆に妻から損害賠償請求を受けるリスクがあり(サイコパスは妻の心理のコントロールも巧みですので、独身偽装は本来は男性が100%の「悪」なのに、不貞相手が「誘惑してきた」などと思い込まされます)、かつ、被害者に不倫したという「不名誉」を負いたくないという心理があるので、表面化しにくいのです。つまり、既婚者であることを逆に利用して、性行為でトラブルになるリスクをコントロールできる。これは深刻な問題なのですが、不貞行為の相手方に共同不法行為責任を負わせることを望む人が多い現状では、当面変わらないのだろうと思います。
独身偽装をする男性は、男尊女卑でこういう行為をしていると思われるかもしれませんが(そう指摘されたらそう認めるかもしれません。そうであれば「社会のせい」であり「反省」で変わったとアピールできるので)、実際は、サイコパスの「唯我独尊」だと思っています。独身偽装をするサイコパス男性を見分けるのは難しいですが…「目の前の人がどういう経歴で、今ここにいるのか」を考えて、不自然な点がないか冷静に見極めることが大事だと思います。
彼らは、魅力的な外見をしていることが多く、自信をなくして弱っている女性に対して「優しい男性」、「理解ある男性」、「頼りになる男性」などに擬態して肉体関係に持ち込み、そのこと自体で相手を縛ります。相手が好むであろう、女性向けのニュースや、女性の好むフィクション作品などの研究もして、「理想の男性」を演じます…不倫している時点でその人間性は明らかなのに、自分で自分を騙すようにあやつります。
そのため、独身であることが発覚しても、肉体関係を継続してしまう女性も見られます。「サンクコスト効果」で説明される現象ですが、「自分が独身偽装のサイコパスに弄ばれた性被害者」であることを認めることは辛いことなので、「私のことを好きすぎたので既婚者であるといえなかったのだ。純愛なんだ。」などと思い込まされます。純愛であれば、相手の幸せがもっとも重要ですので、「独身であると嘘をついて肉体関係を持つ」などという選択肢が出てくるわけがないのですが。
※参考記事
「彼は詐欺師」アプリで出会った“独身偽装”にだまされた女性 ショックで心身不調
2024/7/29(月) 17:03配信
https://www.nagasaki-np.co.jp/kijis/?kijiid=fe238ecf7c394230acf997c3711d8489
「鈴木紗理奈さん、謝罪しないで」…“独身偽装”被害に遭い出産までした女性「不倫と言わないで! 性被害だ」
https://times.abema.tv/articles/-/10153329
私たちの身近にいる人格障害、「マイルド・サイコパス」
https://www.dr-mizutani.jp/dr_blog/psychopath/
【サイコパスを相手にした時は、「情緒的共感」を期待してはいけません。普通の人にとっては、相手が人間として当たり前に持っていると思う「情緒的共感性」を持ち合わせていないのがサイコパスなのです。
しかし、普通の感性を持っている被害者は、情緒的共感性を持っていないサイコパスのような人間がいると想定しておらず、サイコパスの心理を想像できないので悩みます。「なぜ、気持ちがわかってもらえないのだろう」と悩み、「情緒的共感」を求めて苦悩し続けるのですが、サイコパスには気持ちは伝わらないのです。
さらにサイコパスが厄介なのは、彼らは自分の性格に悩むことも反省することもなく、むしろ自信家であることが多いので、不安障害やうつ病などの気弱な患者さんには魅力的に映ることです。気弱な人はサイコパスに「守ってもらえる」と誤解し、手酷い扱いを受けても彼らについていこうとしてしまいます。被害者は自ら求めてサイコパスに付いていっているように見えるので、マゾヒストとみなされたり、「自己責任」とされてしまったりします。そんな被害者に対しては、まずサイコパスと距離を取り(パワハラを受けている会社員なら休職させたり、DVを受けている主婦ならば女性センターなどに被害者保護をしてもらう)、被害者の安全を確保した上で、サイコパスの心理について理解するようにお話ししていきます。】
4.性的グルーミング
私は、いわゆる「性的グルーミング」もサイコパスが常習的に行う性加害の一種と考えています。生殖可能な年齢以後で、操りやすい若年者(児童を含む)を狙って「恋愛」と思い込ませるのです。ホストクラブの手口は性的グルーミングの一類型ですし、既婚者上司が新入社員を不倫相手にするのもそうでしょう。時々ニュースになる、既婚者の、教育熱心な教師が、裏で複数の児童に性加害を繰り返していたというのもこのパターンだと推測しています。サイコパスが、趣味である他人の心理操作を、性欲処理を兼ねてしているのでしょう。「子ども」は心理操作がしやすく、かつ、性行為によるトラウマを負いやすいので、「他人の人生」をコントロールしたいというサイコパスにとっては恰好の獲物なのだと考えています。これは特に重要なことなので、子どもがいる親御さんは特に気をつけて欲しいです。
下記文献は、性犯罪・児童虐待事犯の捜査に関する文献ですが、その中で成人男性が多数の少年達に性加害を繰り返していた事例を取り上げています。現在は絶版になっているようですが、田中嘉寿子検事が書き上げた名著で、10年前の最先端の捜査が詰め込まれています。
引用部分の記述のとおり、同性に対する性加害者は「異性のパートナーがいる場合も少なくない」のであり、むしろ「女性に好感を持たれる」人気者であることもしばしばだと思います。サイコパスには表層的な「魅力」があります。若い頃から異性を含む多数の人間と「交流」し、高速でPDCAを回していますので、どのように「擬態」すれば好感を持たれるかがわかっています。現実には実在し得ない「(相手にとって)理想的な男性」に擬態します。親の警戒心を解いておけば、少年たちへの性加害をしても、少年たちが被害を訴え出られなくなるからです。いかに「精神支配」をするかがポイントです。
※田中嘉寿子『性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック』(立花書房,2014年1月)251-252頁
【イ加害者の動機
同性への性的虐待の場合加害者である保護者.教諭.スポーツ指導者.入所施設の職員など一定の同性集団内で支配的地位にある者が.その立場を利用して行うことが多い。
加害者は.必ずしも同性愛者であるとは限らず,異性のパートナーがいる場合も少なくない。
加害者の主たる動機は,性欲とは限らず,むしろ,被害者らに対する支配欲の現れである場合が多い。
スポーツの指導者の場合は.選手として大成できずにコーチとなった劣等感から.将来選手として活躍しそうな少年らに対する,試合に出すか否かなど少年への影響力を利用して自己の支配下に置きたいという歪んだ欲望が強い。そのため,犯行態様も,単純に自己の性欲を発散させるものではなく,被害者らを自己の意のままに操ることに主眼を置き.飴と鞭を使い分けて支配性を強化する方法を採ることが多い。
そのため,単純な暴行・脅迫が用いられることは少なく,用いる必要がないほど支配性が強かった証左でもある。
捜査に当たっては,加害者が単なる性的な変態であるとの偏見を持たず,外部からは分かりにくい集団内の支配の構造を解明する必要がある。
ウ被害者を加害者に転化させる口封じ策
男性が性被害に遭った場合,屈辱や無力感から,家族を含め誰にも相談できないことが多い(女性被害者以上に被害申告をためらいがちである。)。
また,被害者は,加害者の支配・指示の下で,他の仲間を被害に引きずり込む共犯者役をさせられることが多い。
加害者は,被害者を共犯者に仕立て,罪悪感から更に誰にも告白できない心境に陥らせるという,極めて有効な口封じ策を講じる。
男児に対する性的虐待事件において,加害者1人当たりの被害者数が女児よりも多いのは,このような構造があるからである。】
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000038-I3028821
名越康文『あなたの近くの危険な人物![図解]サイコパスの話』(図書印刷,2017年9月)
なお、一方で、私の取扱経験上、盗撮(下着盗撮)犯人については、サイコパスと逆の特質…過剰なまでに人に配慮してしまう、情動的共感性が高すぎるのではないかという人がしばしばいます。そのために、母親や妻やマスコミといった「周囲の女性」が望む姿になろうとし過ぎて破綻してしまうのです。盗撮の場合、その行為をしたその時点では、原理的に「相手の苦痛」が発生しないことが重要なポイントです。もちろん重大な人権侵害にあたる行為なのですが、不同意性交と異なり、「目の前の相手に強い苦痛を与える」という状況が起こりません。「相手の苦痛」が発生しないことから、安心して興奮することができるのだろうと推測しています。
※参考文献
①の書籍は過激な表現を避けていますので、中学生でも読めます。「自衛」のために購入することをお勧めします。
①図解 サイコパスの話 (書籍)
サイコパスとは、犯罪を平然と犯す、平気でウソをつき人を欺き騙すなど「反社会的な人格」を持つ人を指す。感情に乏しく、「共感性」がない「冷徹」な人間で、人を支配したがり、目的のためには手段を選ばないーーそんな人間があなたのまわりにもきっといる!本書は心理学の面に焦点をあて、社会にまぎれ、職場、学校、サークルなどあらゆるコミュニティに、100人に1人の割合で存在すると言われるサイコパスを、よりわかりやすく図解する1冊。
https://www.nihonbungeisha.co.jp/book/b333158.html
②原田隆之 『サイコパスの真実』
人当たりがよくて魅力的。でも、息を吐くようにウソをつく……。そんな「サイコパス」とどう付き合えばいいのか? 犯罪心理学の知見から冷血の素顔に迫る。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480071378/
③【文庫】良心をもたない人たち
マーサ・スタウト 著 /木村博江 訳
嘘をつく、空涙を流す、追いつめられると逆ギレする、自分にしか関心がない。二十五人に一人という割合で存在するという「良心のない人間」の本質を明かした本。
https://www.soshisha.com/book_search/detail/1_1929.html
④【文庫】良心をもたない人たちへの対処法
マーサ・スタウト 著 /秋山勝 訳
良心をもたない人(ソシオパス)の巧妙な攻撃から自分と自分の家族を守るには。臨床専門家が豊富な事例をもとに、自己防衛のための具体的な対処法を示す必読書。
https://www.soshisha.com/book_search/detail/1_2673.html
※参考リンク
サイコパスは性に奔放?遺伝子の影響は?進化心理学で考える反社会的人格
https://yomitai.jp/series/shinka/03-komatsu/
※関連記事
※2025/1/19 chatGPT o1 proで文章の真偽について検証してもらいました。
以下では、「性加害者の心理についての考察(サイコパス、不同意性交等、独身偽装、グルーミング)」(2024年01月14日刑事弁護)と題する文章を、日本の犯罪捜査実務・犯罪心理学・被害者心理学の観点から、一つ一つの文言・主張を丁寧に分析します。文章の引用部分を太字で示しながら、解説と検証を行い、さらにそれらを総合して8000字以上の詳細な論考にまとめます。なお、本回答では、一つの文ごとに切り分けて解釈していくと非常に長文になるため、適切なまとまりで文脈を整理しつつ言及し、それぞれのポイントに関して具体的に検討していきます。
【対象となる文章の全体構造】
まず、文章は大きく以下のような構成をとっています。
- 「はじめに:性加害の定義と被害者への影響」
- 「性加害者が行う行為の多様性」
- 「サイコパスによる性加害の存在と特徴」
- 「具体的な加害パターン」
- 不同意性交
- 不同意わいせつ行為(痴漢など)
- DV・モラハラや洗脳的手口
- 密室での突然の性加害
- “迎合行動”や“被害者が望んだかのように見える”事例
- 「サイコパスが巧みに周囲をだます方法」
- 「ホストクラブ、ナンパサークル、あるいは“フェミニスト装い”など、特殊な手口の例」
- 「独身偽装(独身詐欺)や性的グルーミングの考察」
- 「盗撮犯に見られる別の特質」
- 「まとめ・再犯防止策と今後の課題」
この構成をベースに、文章が論じている点を一つひとつ取り上げ、日本の犯罪捜査実務(警察・検察などの捜査および証拠評価)、犯罪心理学(加害者の心理特性や行動原理)、被害者心理学(被害者がどのように感じ、行動し、影響を受けるか)の3つの観点から検証する。
本回答では、引用を行いつつ、以下の章立てを追加して整理する。
1. 「はじめに:性加害の定義と被害者への影響」の検討
1-1. 「性的なことで、意図的に相手に強い苦痛を与える行為」との定義
「私が、弁護士業務を通じて感じた、性加害(私は『性的なことで、意図的に相手に強い苦痛を与える行為』と定義します)をする人の心理的傾向と、再犯防止のための対策を書いてみます。」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
刑法上の「性犯罪(強制わいせつ罪・不同意わいせつ罪、強制性交罪・不同意性交罪など)」は、法律上は「暴行・脅迫」「同意しない意思の形成・表明・全うが困難な状態を利用」などの構成要件を満たした行為を指す。一方、ここで提示される「性的なことで、意図的に相手に強い苦痛を与える行為」という定義は、刑法の要件より広い概念を含む場合がある。たとえば、セクハラ行為のうち、刑法上の「わいせつ行為」に該当しないグレーゾーンも含まれる可能性がある。
捜査実務においては、被害申告があった場合に「具体的にどのような行為が行われ、被害者はどう感じたのか」を明確化する手続きが踏まれる。よって、「強い苦痛」をどう評価するかが問題であり、警察は刑法に当てはめられるか否かを捜査により判断する。 - 犯罪心理学
加害者が「意図的に苦痛を与える」という動機を持つ場合、その背後に「支配欲」や「サディスティック傾向」があると考えられる。これにはサイコパスのような「情動的共感性の欠如」が大きく関与するケースが多いと指摘されている。 - 被害者心理学
被害者は、「意図的に苦痛を与えられた」と感じた瞬間にトラウマが形成される可能性がある。たとえば「この人は自分のことをまるで人間として見ていなかった」という認識が大きな精神的ショックとなる。そこから来るPTSD症状やフラッシュバックなどが長期にわたり影響する場合がある。
総じて、この定義は刑法の定義より広く、民事上のセクハラやDVなども含みうる。しかし弁護士視点として、実務での感覚を述べている点に妥当性がある。
1-2. 被害者や家族に及ぶ苦痛
「性加害が与える打撃の大きさ…被害者だけでなく、被害者家族にも、加害者家族にも深い苦痛をもたらします。」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
捜査段階で「被害者家族への聴取」や「加害者家族への任意事情聴取」が行われることはあるが、家族への苦痛というものが捜査対象になるわけではない。ただし、被害者が未成年の場合に「保護者への影響」が重視されることがある。また加害者が逮捕されれば、その家族の経済的・社会的ダメージも大きい。この苦痛を法的に回復する仕組みは限定的だが、被害者参加制度や被害者支援制度(民事上の賠償請求など)は一部の救済となる。 - 犯罪心理学
被害者のみならず、その家族の二次被害(「周囲からの視線」「家族としての自責感」など)の問題が近年強調されるようになった。加害者家族の苦痛としては、世間からのバッシング・孤立などがあり、これも含めて「スティグマ(汚名)」の問題として研究される。 - 被害者心理学
特に近親者が被害を受けたとき、家族も被害者と同じようにトラウマ様症状を呈することがある。いわゆる「セカンダリートラウマ」や「代理トラウマ」と呼ばれる現象だ。また、「DV家庭」などでは子どもが心理的問題を抱えることも多い。
この記述は実務や心理学的にも妥当性が高く、「加害者家族にも苦痛を与える」という点も社会学的には十分あり得ることであり、真偽としてはほぼ真実といってよい。
1-3. 刑事裁判制度への疑問
「刑事裁判という制度も、えげつないと思うことがあります…反対尋問で弁護人から糾弾…矛盾した発言をしてしまうことは十分考えられます…弁護人が責められるのは筋違いという場合もありますが…」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
刑事裁判での反対尋問は必須の手続きであり、被告人の防御権を保障するために行われる。しかし性犯罪被害者が公開法廷で詳細を証言する負担は非常に大きく、検察や裁判所も「ビデオリンク方式」や「仕切り板の利用」などで被害者への二次被害を緩和しようとしている。 - 犯罪心理学
被害者はトラウマやフラッシュバックに苦しんでおり、尋問で詳細な再現を迫られると混乱したり、矛盾が生じたりすることも多い。記憶の再生に際して、断片的に思い出すことで時系列が前後する、あるいは言葉を探すうちに一貫性が揺らぐことはよくある。これがしばしば「虚偽」「作り話」と誤解される。 - 被害者心理学
被害者は「証言する」こと自体大きなストレスであり、また「裁判で周囲(傍聴人)に見られる」心理的恐怖が大きい。供述が変遷しても、それを「嘘」と断じるのは危険。むしろ被害者が心的混乱の中で語っていることを踏まえ、捜査段階でしっかり裏付け捜査を行う必要がある。
真偽としては、この指摘は多くの被害者が経験する問題であり、実務でも大いに議論されている通り妥当性が高い。被害者が「裁判においてえげつない思いをする」というのは実情とも合致する。
2. 「サイコパス性犯罪」と支配欲の問題
2-1. サイコパス性犯罪者と定義づけ
「特に、私は、『衝動的で』『相手の苦痛が一切自分の苦痛にならず』『呼吸するように嘘をつく』サイコパスの性加害者の存在が十分に意識されていない…その存在が『常識』になることを願っています。」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
捜査当局が「サイコパスか否か」を公式に判定することは少ないが、同種事案の多犯性や常習性、他の被害の有無などから判断し、危険性を見積もるケースはある。特に連続強姦事件や未成年者への多発的犯行などでは、捜査上「情動面での共感が乏しい」とされる加害者が想定される場合がある。 - 犯罪心理学
サイコパスは「冷淡で他者の苦痛に無関心」「自己中心的」「慢性的な反社会性」が特徴とされる。こうした特質を持つ性犯罪者は被害者を単なる「道具」と見なし、支配やコントロールを徹底する傾向が強い。 - 被害者心理学
サイコパス性犯罪者は被害者に対して非常に巧妙な操作を行い、被害者が「自分のせいだったのでは」と思うように仕向けるなどの精神的支配がみられる。被害者が逆に自責感を抱えるのは、サイコパスの操作が効果的だからであり、このことは被害者の回復をいっそう困難にする。
これらの文言には、犯罪心理学の研究成果との整合性がある。サイコパスは確かに存在するし、「呼吸するように嘘をつく」という表現はサイコパスの特徴を端的に示しているが、やや強い断定的表現でもある。ただ「十分に意識されていない」というのは実情としても不十分かもしれないが、一般社会には確かにあまり理解されていないという点では、妥当性がある。
3. 「具体的な加害パターン」の分析
3-1. サイコパスによる不同意性交・強制性交
「暴力や脅迫、騙しうちなど『相手に苦痛を与える手法』で相手の人格を抑圧して性交をする…サイコパスで相手の苦痛を感じないので、相手をコントロールする手段として実行する…性犯罪の原因を性欲でなく支配欲とする立場は、サイコパス性犯罪者を観察して言われているのでは」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
捜査では、強制性交の立件には被害者の供述や身体的証拠が求められるが、犯行態様がサディスティック、または支配的であれば、いっそう被害者の供述が深刻である可能性が高い。実務でも、たとえば「複数の被害者がいる」「継続的に暴行・脅迫を用いる」というパターンを認めると、加害者の人格特性として冷酷さや支配欲が推察される。 - 犯罪心理学
「性加害の本質が支配欲である」という説は広く知られている。特にサイコパスは他者を苦しめることで満足感を得るため、「性欲」というよりは「支配欲」や「加害時の相手の恐怖を見る快楽」が本質とされる場合がある。 - 被害者心理学
被害者は人格を踏みにじられたと感じ、「自分が単なる物扱いを受けた」というショックでPTSDを発症する可能性が高い。繰り返し暴力を受けるといわゆる「学習性無力感」に陥り、抵抗をあきらめることで相手の支配下に入りやすくなる。
真偽としては、サイコパスの性犯罪で支配欲が大きな動機になるのは犯罪心理学的にも妥当であり、各所の実務でも裏づけられる。
3-2. 「密室での突然の性加害」「迎合行動」
「密室でいきなり性加害をするパターン…後に優しくする…性犯罪被害者の『性犯罪被害者になりたくない』という心理につけ込む手法」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
とくに加害者と被害者が知人関係の場合、最初は合意があるかのように見えて実際は強制的だったという事例も多い。捜査では、LINEやメールなどのやりとりから被害者の本音を探る。加害者が「後で優しくする」ことで「関係性は円満だった」と装うケースもあり、警察は被害者が「最初は拒んだけれど最終的に同意した」といった表面的状況を深く掘り下げる必要がある。 - 犯罪心理学
被害者が「自分が性犯罪被害者ではない」と思い込みたい心理、すなわち認知的不協和を低減しようとする無意識の防衛機制が働く。その結果、「あれは愛された行為だったのでは」と思い直す心理が起きることがある。「優しくされる」ことによってトラウマを否定しようとする動きもある。 - 被害者心理学
被害者が「誘導された」「自分が悪かったのかもしれない」と感じるのは典型的な二次被害のひとつ。こうした心理が「迎合行動」という形で現れ、その後の警察への申告を躊躇させる。よって“迎合メール”や“好意的なメッセージ”が残ってしまい、後で証拠として誤解される危険性がある。
これらは捜査・心理学いずれの面でも非常に妥当といえる知見である。加害者が「後で優しくする」ことで被害を発覚させないようにする手口は古典的に認められている。
4. 「サイコパスは『反省したふり』をする」の検証
「証拠を突き付けられ逃げられなくなると『反省したふり』をする…『アダルトサイトのせいだ』『幼少期の虐待だ』『男尊女卑の文化だ』など責任転嫁をしてくる」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
取調べの際、被疑者が自己に都合のいい虚偽の弁解を行うのはしばしば見られる。特に性犯罪事案では「相手から誘ってきた」「合意があった」などの主張をするケースが多い。いわゆる「他原因説」を唱えることで自分の責任を曖昧にしようとするのは、犯罪者の典型的な手口といえる。警察・検察は客観証拠と被害者供述の整合性を検討する。 - 犯罪心理学
サイコパスは良心の呵責がないため、咄嗟に嘘をつくことに躊躇がない。支援者や治療者が「こう言えば同情してもらえるだろう」と察すれば、その場で話を合わせる。また「虐待歴」が嘘だったケースも多々報告されている。したがって「反省のふり」をして減刑を狙うなど、典型的な操作的行動が見られる。 - 被害者心理学
加害者がそうした責任転嫁や嘘の主張をする場合、被害者は「私が悪かったのだろうか…」と再度悩まされる二次被害を受けることがある。周囲が加害者の言葉を鵜呑みにすると、被害者がさらに孤立する。
文章の真偽としては、被疑者・被告人が責任転嫁を行う実例は多く、警察実務や法廷でも見られるものなので、非常に信憑性が高い記述。
5. 特殊環境での学習:ホストクラブ、ナンパサークル等
「大学などのナンパサークル、インターネット上のナンパ師集団、ホストクラブなどで、サイコパスたちが集まって『より効率的に若年女性(あるいは若年男性)とセックスすること』『金を吸い上げること』『虐待して弄ぶこと』などを目的として、『学習』を深めているのではないかと推測しています…監視が極めて重要」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
近年、TwitterやSNS上で「ヤリサー(いわゆる性的行為目的のサークル)」が問題化し、大学当局や警察が対策を進めている。ホストクラブにおける「売掛金」「風俗への誘導」などは、悪質な事例で実際に摘発例がある(風営法違反、詐欺的行為など)。これらの集団はしばしば被害者が複数にのぼる事案を起こしており、警察は同種余罪を捜査することもある。 - 犯罪心理学
性犯罪を繰り返す集団が結託し、ノウハウを共有することは「モデル学習」による模倣犯罪を助長するリスクが高い。特に若年者がこうした集団に入り、女性を「道具」や「金づる」と見なす価値観が形成されると、反社会的行動が常態化しやすい。 - 被害者心理学
被害者はこうした集団から抜けられなかったり、多数の加害者を前にすると「自分は拒否できない」と感じる恐怖を抱く。同調圧力や、一度身体関係を持たされると「抜けられない」と思い込んでしまう二次被害が深刻化する。
この記述も、報道や捜査報告を踏まえれば十分あり得ることであり、真偽としては高い信憑性がある。もちろん「サイコパスたちが多数集まっている」と断定するのはやや強い表現だが、悪質な集団が存在する事例は確認されている。
6. 「フェミニスト装い」「独身偽装」と性加害
6-1. フェミニスト装い
「サイコパスの人は、…『フェミニスト』を装って社会的弱者とされる女性を『支援』する立場になり、弱っている相手を心理操作する…」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
直接フェミニストを装う事例がどれほど捜査報告で存在するかは不明だが、全体として「支援者」を装い、被害者と親密になってから性行為に持ち込む事例は確かにある。その中にサイコパスが紛れている可能性は否定できない。警察としては、性的搾取の疑いがあれば捜査対象となる。 - 犯罪心理学
サイコパスは「役割演技」に長けている。そのため、被害者がどういう人物を求めているか察知し、自己をそこに合わせる。「優しい男性」を望む女性にはとことん優しく装い、「女性をリスペクトしている」かのように振る舞うことで信用を得る。 - 被害者心理学
自分を助けてくれる存在だと信じると、被害者は相手への依存を深める。特に自尊感情が低下している女性は支援を装う人物に引き寄せられやすく、結果的に搾取・性加害を受けやすい。これを「恋愛感情」と錯覚する被害者も多い。
真偽としては「フェミニスト装い」を広く見ると誇張気味だが、「支援を装った接近」の危険性は実際に複数事例が報道されているため、完全にあり得る話である。
6-2. 独身偽装
「既婚男性がマッチングアプリで独身と偽装し不倫…サイコパスのことが多いだろうと考えています。交際中に既婚者と発覚しても、現行法では性犯罪とされず、貞操侵害の慰謝料は低い…『不名誉』を背負いたくない被害者が表面化しにくい…『サイコパスの唯我独尊』…」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
「独身偽装」は現行の日本刑法には詐欺罪で立件できるか否かが争点になるが、性的自己決定権の侵害としては十分に保護されておらず、既存の性犯罪規定には該当しにくいとされるのが通説。今後の法改正の論点にはなりうるが、2023年・2024年現在の刑法改正でも扱われていない。 - 犯罪心理学
既婚者が独身を偽って性交に持ち込む行為は、被害者に強い精神的苦痛を与えることが多い。サイコパスであるかはケースバイケースだが、「嘘をつくことに罪悪感がない」「自己中な快楽追求」はサイコパス的性質と一致しやすい。一方、単なる浮気性や利己主義の場合もあり、一律にサイコパスとは断言できない。ただし文章が指摘するように、「縛られる」のを嫌がる人が多いのは確か。 - 被害者心理学
被害者は「相手が既婚だとわかっていたら絶対同意しなかった」と感じ、大きなショックを受ける。「不倫相手」にされた自分を責めたり、公にした場合に「道徳的非難」を浴びるかもしれないという恐れで声を上げにくい。こうした構造が「被害の黙殺」を助長する。
ここでの記述は、法的に見ると「独身偽装が性犯罪になるべき」という主張はまだ議論段階だが、被害者心理学的には被害者が深く傷つく可能性は大いにある。一方、「サイコパスが多い」と言い切る点は個人の推測含むが、利己的観点から嘘をつき続けられる資質があればサイコパス傾向があるかもしれない。
7. 「性的グルーミング」と子どもへの性加害
7-1. いわゆるグルーミングの概要
「いわゆる『性的グルーミング』もサイコパスが常習的に行う性加害の一種…生殖可能な年齢以後で、操りやすい若年者(児童を含む)を狙って『恋愛』と錯覚させる。ホストクラブの手口は一類型…既婚者上司が新入社員を不倫相手にするのもそう…」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
グルーミングは児童ポルノ製造等の問題と結びつき、近年の法改正で「性加害の結果を引き起こす目的で児童とのコミュニケーションを行う行為」に対する規制が強化されつつある。しかし社会全体としては完全なカバーがまだ難しい。成人への「グルーミング」に関しては法整備が進んでいないので、被害があっても認知されにくい問題が残る。 - 犯罪心理学
グルーミングとは、加害者が被害者との間に信頼関係を構築した後、徐々に性加害を進める手口である。サイコパス的傾向のある者は特に「段階的に相手を操作してゆく」スキルが高いため、被害者は知らないうちにコントロールされてしまう。 - 被害者心理学
若年者は自己肯定感が低いときほど、大人に優しくされると喜び、警戒心を解きやすい。やがて性的行為を要求されても「相手に嫌われたくない」「裏切られたくない」という気持ちから拒否しにくい。これが一種の「心理的束縛」となり、被害が深刻化する。
ここも真偽としては、グルーミング行為が日本国内で児童性加害に使われる手口であることは多くの調査で確認されている。成人間グルーミングもあるとされるため、十分現実味のある主張。
7-2. 教師やコーチによる性加害
「教師が裏で複数の児童に性加害を繰り返していた…サイコパスが趣味で他人の心理操作を性欲処理と兼ねている…」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
教師による児童性加害は、近年SNSの活用や通報システムの強化で摘発が増加。報道事例では、複数の児童・生徒にわたって長期にわたり犯行を続ける事例も少なくない。加害教師の人格をサイコパスと判断できるかは別問題だが、総じて良心の呵責が薄い人が多いと考えられる。 - 犯罪心理学
こうした加害者は「自分の優位性を武器」に子どもを操作する。サイコパス的特性があるとすれば、倫理感や道徳感の欠如が顕著なので、子どもを被害に巻き込みやすい。 - 被害者心理学
児童は大人を疑わない傾向があり、教師やコーチが「信頼できる大人」としての地位を悪用すると、一気に多くの子どもを被害にさらすことになる。さらに子ども側が「自分が悪い」と思い込むため、申告が遅れ、発覚までの被害が拡大する傾向がある。
真偽として、教育の場での性加害事例は実際に相当数ある。そこにサイコパス的な操作性が加わると被害が大規模化しやすいので、整合性が高い。
8. 盗撮犯とサイコパスの「逆の特質」
「盗撮犯はサイコパスと逆の特質…過剰に人に配慮しすぎる…相手の苦痛を意識しないまま興奮する…」
分析:
- 日本の犯罪捜査実務
盗撮行為は迷惑防止条例などによって取り締まられるが、刑法における「性的姿態等撮影罪(2023年の法改正などで規定)」の新設もあり、捜査実務では増加傾向にある。被疑者を取り調べると「人間関係を築くのが苦手」「真面目だがストレスを抱えている」などの背景がしばしば見られる。 - 犯罪心理学
盗撮犯は必ずしもサイコパスではなく、むしろ「相手を傷つけたくないけれど性欲が抑えられない」「表面的には相手を直接苦しめずに済む」と考えてしまう者がいる。サイコパス的な残酷さや支配欲とは別のメカニズムが働くことが多いとされる。 - 被害者心理学
盗撮の被害者は「性的プライバシーを侵された」という重大な侵害を受けるが、加害者自身が「相手を苦しめることが目的ではなかった」と言い張るために、自分の被害が軽視されると感じる。被害者は「撮られている」という事実で深く傷つき、不安障害を抱えやすい。
真偽としては、盗撮犯にサイコパスが少ないわけではないが、むしろ別の心理特質を持つ者が多いという指摘は、心理学上の報告とも整合する。ここは説得力がある。
9. 総合的評価と真偽に関する結論
本文全体の主張を整理すると、以下の点が主要な論点である:
- 性加害は被害者とその周囲に深刻な苦痛をもたらす → 実務・心理学的にも妥当。
- 刑事裁判の公開・反対尋問は被害者に大きな負担を強いる → 事実として認められる。
- サイコパス性犯罪者は他人の苦痛を顧みず、支配欲を満たす目的が多い → 犯罪心理学の知見と合致する。
- サイコパスは巧みに嘘をつき、反省したふりをし、周囲を操作する → 実務上も観察される典型的行動。
- ホストクラブやナンパ師集団などで学習が進む可能性 → 報道や事例的にも裏付けあり。
- 独身偽装や性的グルーミングは、現行法で十分処罰されていないが、被害者心理的には大きな痛手 → 法律上の限界を踏まえ、被害者支援が課題とされる点は説得力がある。
- 盗撮犯にはサイコパスでないタイプも多く、過剰なまでに他者に配慮しがちな人がいる → 現場の取扱例からも散見され、妥当。
9-1. 文章全体の信頼性
- 多くの部分は、犯罪捜査実務上も認められる現象と合致し、「加害者がうまく演技をする」「被害者が二次被害を受ける」「サイコパスの特質」などは警察・検察が日々遭遇するテーマである。
- 犯罪心理学的にも、サイコパスの特徴・支配欲・反省のふり・嘘を巧妙につく、という点は学術文献と一致。
- 被害者心理学においても「迎合行動」「トラウマ」「自己否定感」といった観点は学説や実務経験から妥当性が高い。
ゆえに、文章は専門的知見と多くの部分が合致しており、真偽で言えば「概ね真実性・妥当性が高い内容」といえる。ただし、以下のような留意も必要である:
- 「サイコパスが多い」「社会のせい」「男尊女卑が原因」という表現はやや断定的。一部は著者の主観的意見も含まれるため、統計的根拠が乏しい部分は留意が必要。
- 「独身偽装を性犯罪として処罰すべき」という主張は、まだ法制度上の議論が成熟していない面があり、法改正の方向性として今後の課題。主張自体が間違いというわけではないが、確定的ではない。
9-2. 8000字以上の記述全体を踏まえた結論
ここまで約9000字程度を使い、本文の各部分を日本の犯罪捜査実務・犯罪心理学・被害者心理学の視点で検証してきた。各観点を要約すると以下のとおりである。
- 日本の犯罪捜査実務視点
- 刑法や迷惑防止条例などの範囲を超える被害も存在し、被害者が泣き寝入りしやすい面が問題となる。
- サイコパス的犯人が巧妙な手段で被害者を操作するケースがあり、供述の裏付け捜査が欠かせない。
- 集団で性加害をする事案や独身偽装詐欺的行為などは法規制が十分でない可能性がある。
- 犯罪心理学視点
- 性加害の動機として、サディスティックな支配欲が大きな割合を占める「サイコパス性犯罪者」が確かに存在する。
- DVやグルーミング、洗脳的操作はサイコパスの操作傾向と整合。
- 盗撮犯など別形態の犯罪には逆の心理特性が見られることもあり、多様性がある。
- 被害者心理学視点
- 被害者はトラウマを負い、心的外傷や自己否定感、迎合行動などさまざまな心理反応を示す。
- 加害者の巧妙な言葉巧みの操作によって、被害者が被害を申告できない状況に追い込まれやすい。
- 家族や社会が被害者を責める傾向があると二次被害が深刻化し、犯罪立件も難しくなる。
総体的に、この文章の根幹をなす主張や事例は、犯罪学・心理学の文献や報道事例から裏付けられる事柄が多く、実務上の経験ともおおむね合致する。したがって、真偽を詳細に検討した結果、述べられている内容の多くは妥当性が高く、実際に起こり得る/起こっていると考えられる。ただし、いくつかの点で断定的または著者の主観的印象があるので、そこを踏まえつつも、文章の本質的な骨子は十分に信憑性が高いといえる。
【結び:今後の課題と展望】
ここまでの検討を踏まえ、今後の課題として以下を挙げられる。
- 法制度上の整備
独身偽装による性行為を刑事罰化するか否か、職場などでの地位濫用型セクシャル・ハラスメントをより厳しく処罰するか否か、といった問題は立法論の段階にある。 - 捜査機関の対応
サイコパスや高度な操作を行う加害者に対し、捜査段階で裏付けを丁寧に取る必要がある。特に被害者の供述が変遷しやすい場合は先入観を排して事実を積み重ねることが重要。 - 被害者支援と心理教育
被害者が声を上げやすい社会づくり、二次被害の防止、専門カウンセリングの充実などが求められる。DVやモラハラに対する啓発が必要であり、加害者が心理操作しにくい環境づくりが不可欠。 - 再犯防止プログラムの拡充
サイコパスに対する有効なプログラムは難しいとされるが、認知行動療法や性犯罪者更生プログラムの継続が効果を発揮する可能性もある。ただし完全に“治す”ことは困難であり、地域社会での監視と連携も重要。
以上から、本論文(文章)は日本の犯罪捜査実務、犯罪心理学、被害者心理学の3つの観点から見て、概ね真実性・妥当性の高い内容であり、多くの部分に説得力があると言える。特に「サイコパス」や「支配欲」の概念は、犯罪心理学界でも広く議論されているポイントであり、「モラハラやグルーミング」の手口についても多くの実例がある。独身偽装やフェミニスト装いなど、少し踏み込んだ主張に関しては立法論・法整備論になるが、概念的にはありうる事例だろう。
したがって、この文章に描かれた加害者心理・被害者心理・社会的影響の分析は、総合的にみて十分に真に近い内容である。 ただし、個々の例外や各論点での立法的な成熟度、サイコパス認定の厳密さなどには留意が必要だ。いずれにせよ、弁護士業務や被害者支援、犯罪予防策を検討する上でも非常に参考になる考察であると言えよう。
2024/12/31 追記
Chat GPT o1 pro に訊いてみました。