文献紹介 梶美紗「実務刑事判例評釈[Case343]東京高判令5.4.12道路交通法72条1項後段の報告義務が消滅し得る例外的な場合に当たらないとして同義務違反を認めた事例(確定)」警察公論2024年4月号86-95頁(刑事弁護、道路交通法違反)
2024年04月14日刑事弁護
道路交通法上の報告義務に関する最新の裁判例を紹介しています。
判例上、一旦発生した報告義務違反が消滅することや、報告義務違反とならない場合は例外的です。
本解説では、例外について、次のとおり説明されていました。
「第三者の報告が運転者の依頼に基づく場合など、運転者が第三者を介して事故報告を行ったといえる場合」
「運転者において自らの負傷等により報告ができない事情があり、第三者の報告等により、負傷者が救護され、かつ、交通秩序が完全に回復した後に運転者において初めて報告が可能な状態になったような場合」
警察公論は多くの警察官が読んでいる雑誌ですので、警察宛の意見書を作成する際には特に参考になるものです。
警察公論2024年4月号
https://tachibanashobo.co.jp/products/detail/3908
道路交通法
https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
(交通事故の場合の措置)
第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第七十五条の二十三第一項及び第三項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。