職務質問にあたって、対象者の運転車両を警察車両で取り囲む措置について(大麻、刑事弁護)
2021年09月24日刑事弁護
良く聞く話ですが、適法とした裁判例があります。ただ、あまりに長時間となると違法になるでしょう。
警察官職務執行法
(質問)
第二条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
【参考文献】
中野佳博『行政法 第7版』(教育システム,2019年9月)204頁
【自動車を停止させる措置に関する裁判事例
適法とされた事例
I 捜査用車両により挟みうちにした事例
盗難車両の前後に、捜査用自動車をある程度の間隔をおいて一時的に接近して停止させた(いわゆる「挟みうち」)事案(名古屋高裁金沢支部昭和52年6月30日判決・判時878号118頁)。
Ⅱ路上に停車した車両を警察車両で取り囲んだ事例
多量の覚醒剤を携帯した氏名不詳の密売人が乗車している疑いが濃厚であり、職務質問しようとすればそのまま逃走する可能性が大であったので、用意した警察車両等で周囲を取り囲んだ事案(東京高裁平成9年4月3日判決・東高刑48巻l~12号32頁)。】
https://kyoikusystem.com/books/practical-law/administrative-law/20655/#new