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薬院法律事務所

刑事弁護

道路交通法38条2項の「当該停止している車両」に、対向車線の停止車両も含まれるのか?という議論


2025年04月02日刑事弁護

弁護士の藤吉修崇先生がご投稿されていたので、興味を持って少し調べてみました。

私の結論としては、「含まれない」というものです。

https://x.com/fujiyoshi_ben/status/1900700069520961986

 

私が確認した参考文献の記述と、ChatGPTでの調査を貼ります。

 

木宮高彦・岩井重一『詳解道路交通法〔改訂版〕』(有斐閣,1980年5月)98頁

【二項は、横断歩道または横断歩道の直前で停止している車両 等の側方通過の際の一時停止義務について定めたものである。 すなわち、横断歩道の直前に他の車両が停止している場合に、 その停止している車両の側方を通過してその前方に出たため前車の陰になっている歩行者の発見がおくれて横断歩道上で事 故を起こすことが多く、横断歩道やその直前で車両等が停止し ている場合には、通常、横断歩行者がいることが推測されることから、右横断歩行者の安全な通行の確保を目的として規定されたのである。】

yuhikaku.co.jp/books/detail/4

 

東京地方検察庁交通部研究会編『三訂版 道路交通法辞典 上巻』(東京法令出版,1988年5月)408頁

【2項は、停止している車両等の側方通過の禁止についての規定である。禁止の内容は、車両の一時停止であって、従来ややもすれば、横断歩道等の手前の直前で停止している車両があるにもかかわらず、その側方を一時停 止、徐行もしないまま通過しようとして、横断中の歩行者等に衝突する交通事故が多かったことに対処することを目的としたものである。】

ndlsearch.ndl.go.jp/books/R1000000

 

伊藤榮樹ほか編『注釈特別刑法第六巻交通法・通信法Ⅰ(新版)』(立花書房,1989年10月)196頁

【前方に横断歩道が設けられていて、その手前に停止している車両がある場合には、その車両の影となる横断歩道部分が 見えないばかりでなく、その停止車両が横断歩行者の通行を妨げないために停止している蓋然性が高い。本項は、このよ うな場合に、その停止車両の側方を通過することの危険性に鑑み、車両等が、横断歩道等又はその手前直近に停止車両が ある場合において、その車両の側方を通過して前方に出ようとするときは、必ずその前方即ち停止車の先端より自車の先 端が前に出る前に一時停止すべき義務を定めたものである。】

ndlsearch.ndl.go.jp/books/R1000000

 

警視庁交通部『実務のための道路交通法逐条解説(改訂新版)』(東京法令出版,1992年2月)188頁

【本項は、横断歩道等によって横断する歩行者等の安全を図るために、横断歩道等又はその手前の直前で停止 している車両又は路面電車があるときは、その側方を通過して前に出ようとする車両又は路面電車に対して、 その停止している車両又は路面電車の前方に出る前に一時停止することを義務付けたものである. 本項の規定は、停止している車両又は路面電車が障害になって、第一項の判断ができない場合に、歩行者等 がいなくても、なおかつ停止することを義務付けているものである。】

page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/j11

 

平野龍一編集代表『交通編(1) [第二版] (注解特別刑法第1巻道路交通法)』(青林書院,1992年6月)255頁

【第二項は、横断歩道等又はその手前の直前で停止している車両等の側方を通過する車両等に一時停止の義務を課したものである。本項の規定は、車両等と歩行者等の通行が信号機の信号等により調整されていない横断歩道等に適用されるものであるが、このような横断歩道等において、前車が停止しているのは、歩行者等が横断している場合が一般的である。このような場合は第一項前段の規定により速度の抑制が義務づけられているのが通常であるのが、本項はさらに規制を強化し、歩行者等の有無を確認するため、一時停止を義務付けたものである】

seirin.co.jp/book/00811.html

 

交通法令実務研究会編『改訂 逐条/道路交通法 改訂増補』(警察時報社,2004年5月)154頁

【このような場所での駐停車は、法令の規定(前項の規定による一時停止のような場合)若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほかは認められないのであるから、横断歩道等の直前で車両等が停止しているのは、通常の場合は、歩行者等の通行を妨げないように一時停止しているものと考えてよいのである。したがって、このような場合には、たとえ歩行者等が見えなくても、注意して進行するのが当然であると考えられるのであるが、現実には、歩行者等を横断させるため停止している車両等の側方を通過して交通事故を起こす車両が少なくない。そこで、横断歩道等の直前で停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとする車両等は、横断歩道等を通行する歩行者等を認識していない場合であっても、必ずその車両等の前方に出る前に一時停止しなければならないこととしたものである】

k-jiho.com/templates/show

 

東京地方検察庁交通部実務研究会『改訂版交通事故事件捜査110講』(警察時報社,2009年9月)363頁

【この点については,同条第2項の,車両等は,横断歩道又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において,当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは,その前方に出る前に一時停止しなければならない,旨の規定に留意しなければならない。同規定は,横断歩道上あるいは前後における歩行者の有無を確認することが物理的に困難な場合には,先ず停車することを求めている。】

k-jiho.com/templates/show

 

以下は、ChatGPTの調査になります。

 

承知しました。道路交通法38条2項の制定当初における立法趣旨について、国会での議論(逐語録)を中心に、

  • なぜこの条項が制定されたのか(目的)
  • どのような場面で適用されるのか(適用事例や想定)
  • 国会審議中に言及された意見や説明

これらを詳細に調査し、逐語録からの引用も交えてご報告いたします。しばらくお待ちください。

道路交通法第38条第2項の立法趣旨と制定当初の議論

制定の背景と目的

道路交通法第38条第2項は、横断歩道上の歩行者の安全を徹底して確保することを目的として制定されました。昭和42年(1967年)の法改正において、第38条第1項(横断歩道上の歩行者優先)とともに新設された規定であり、これは当時深刻化していた横断歩道における交通事故防止のための措置です (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示) (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。立法者は「横断歩行者の保護の徹底」を掲げ、車両による歩行者妨害をより確実に防ぐことを目指しました。特に、それまでの規定では不十分であった点を補強するために設けられたものです。昭和38年の改正でドライバーに対し「横断歩道上の歩行者がいるときは一時停止してその通行を妨げないこと」が義務付けられ、また横断歩道手前30m以内は追い越し禁止とされていました。しかし、それでも横断歩道上の事故件数が後を絶たなかったため、立法当局は規制強化に踏み切りました (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。このような背景から、第38条第2項は「歩行者の保護のための車両の通行方法」をより厳格に定める目的で制定されたのです (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。

想定された交通状況と適用場面

想定された典型的な事故場面は、横断歩道手前で先行車が歩行者に譲るため停止しているにもかかわらず、後続の車両がその脇から追い抜いて歩行者をはねてしまうケースです (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。例えば、信号機のない横断歩道で歩行者が渡っている際、先頭の車両は横断歩道直前で停止します。しかし従来は、その後続車が停車車両を避けて進行する行為自体を直接禁止する明文規定がなく(停車車両の側方通過自体は「追い越し」には該当しない形態となりうるため)、この抜け穴が事故を招いていました (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。実際、横断歩道手前で停止した車両の側方を他車がそのまま進んで前方に出た結果、先に停止した車両の陰にいた歩行者の発見が遅れて事故に至る――このような悲劇が少なからず発生していたのです (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。第38条第2項はまさにこの状況を念頭に置き、**「停止車両の側方を通過して前方に出ようとする車両は横断歩道直前で一時停止しなければならない」**と定めることで、歩行者が車両の陰にいても安全に横断できるようにしました (道路交通法38条の沿革|SS SS)。併せて新設された第38条第3項では、横断歩道および手前30m以内での他車両の追抜き・追越し禁止が規定され、横断歩道接近時の安全運転を一層促す内容となっています (道路交通法38条の沿革|SS SS)。これらの規定により、横断歩道における歩行者優先を「絶対的なもの」として徹底しようとしたのです。

国会審議における立法趣旨の議論

第38条第2項の立法意図については、国会審議において政府から詳細な説明が行われ、議員からも趣旨への賛同や実効性確保のための指摘がなされました。昭和42年6月22日の衆議院地方行政委員会において、政府委員(警察庁長官)は本改正案を補足説明し、**「交通整理の行なわれていない横断歩道において、横断歩道直前で停止している車両の側方を通過して前方に出る場合には一時停止を義務付ける」こと、および「横断歩道およびその手前30m以内では前方車両を追い抜いて前に出てはならない」**ことを規定する趣旨であると明言しました (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。そのうえで、「現行規定でも歩行者横断中は車両停止義務や追越し禁止があるが、停止車両の側方通過など追越し禁止に触れない形態で前車を出たために、前車の陰の歩行者に気付くのが遅れ横断歩道上で事故を起こす例が少なくない。これに鑑み、さらに横断歩道における歩行者保護の徹底を図る」ことが本改正の狙いであると説明されています (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。この政府答弁から、立法目的が「歩行者の徹底保護」と事故防止にあることが公式に示されています。

また、審議では議員側からも本趣旨への理解と支持が表明されました。衆議院地方行政委員会で質疑に立った海江田国三郎議員は、「改正案は横断歩行者の徹底した保護規定を強化しており、その趣旨には大変賛成である」と述べています (道路交通法38条の沿革|SS SS)。ただし同氏は続けて、横断歩道の標識や路面表示が不明確である現状では、前の車が何のために停まっているのか後続車から分かりにくいと指摘し、「いたずらに罰則だけ強化しても実効が伴わないのではないか。むしろ『ここは横断歩道だ』という標示を明確にすることが大変必要ではないか」と提案しました (道路交通法38条の沿革|SS SS)。この発言は、趣旨そのものには賛同しつつ、規制を実効あらしめるためにはインフラ面の整備も不可欠であると訴えたものです。実際、政府側もこうした指摘を受けて対応策を説明しており、今野源八郎政府委員(警察庁交通局長)は、ドライバーに横断歩道の存在を遠方から明確に知らせるため、道路標識・標示の改良(例:横断歩道手前に菱形マークを設置、見やすい位置への標識配置等)を進めていることを答弁しています (道路交通法38条の沿革|SS SS)。このように立法趣旨の実現には環境整備も重要であるとの議論が交わされました。

さらに、参議院の審議でも第38条第2項の趣旨は繰り返し確認されています。参議院地方行政委員会において政府委員が改正内容を説明し、「横断歩行者の保護徹底」の必要性が強調されました (第55回国会 参議院 地方行政委員会 第23号 昭和42年7月13日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。委員からも、「今回の改正では割り込み禁止という形で絶対に横断歩道上の歩行者に優先権を与えようという趣旨は理解できる」との発言があり (第55回国会 参議院 地方行政委員会 第23号 昭和42年7月13日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)、歩行者優先の原則を法的に確固たるものとする狙いが共有されています。その委員は海外の例にも言及し、「歩行者は横断歩道しか渡らない」「車はたとえ歩行者がいなくても横断歩道できちんと停止している」という国もあると紹介しました。そして、そうした徹底した歩行者優先の慣行が事故削減の原動力になっているとして、日本でも歩行者優先の原則を強化する本改正の意義を認めています (第55回国会 参議院 地方行政委員会 第23号 昭和42年7月13日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)。このような国会での議論を通じ、第38条第2項の立法趣旨は「横断歩道における歩行者の安全最優先」を徹底することであり、そのために運転者に対し具体的な一時停止義務・追抜き禁止義務を課すものであることが明確に示されました (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示) (道路交通法38条の沿革|SS SS)。

以上のように、道路交通法第38条第2項が制定された当初には、横断歩道上の歩行者保護を強化することがその目的であり、想定された事故パターン(停止車両の横を抜ける後続車による事故)を防ぐための規定であることが国会審議で示されています。当時の衆議院・参議院の委員会審議録から引用した発言にも見られるとおり、立法者の意図は一貫して「歩行者優先の徹底と交通事故の防止」にあり、その趣旨に対して与野党問わず概ね賛同が得られていました (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示) (道路交通法38条の沿革|SS SS)。議事録の逐語引用からも明らかなように、第38条第2項は横断歩道における歩行者の安全確保を万全に期すため制定された規定であり、その立法趣旨は国会審議の場で詳細に説明・議論され確認されたものなのです。

参考文献・出典: 国会会議録(第55回国会 衆議院地方行政委員会および参議院地方行政委員会・他) (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示) (第55回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 昭和42年6月22日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示) (道路交通法38条の沿革|SS SS) (道路交通法38条の沿革|SS SS) (第55回国会 参議院 地方行政委員会 第23号 昭和42年7月13日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示)等。