酔って当時の記憶がない場合の勾留判断はどのようになされるか
2019年01月10日刑事弁護
実務上、良くあるパターンです。
酩酊していて覚えていないからといってただちに責任能力なしにはならないし、本気で戦うかどうかということは良く確認します。
実際のところ、本人もぼんやり記憶があったりするのです。
伊丹俊彦・合田悦三『逐条実務刑事訴訟法』(立花書房,2018年11月)134頁
『被疑者が「酒に酔って犯行時の記憶がない」と供述することが実務上しばしばある。この場合,被疑者がそのような供述をしたことを,罪証隠滅行為に及ぶ意図がある方向に直ちに結びつけて考えるのは相当でない。飲酒検知の結果等から被疑者が実際に相当酩酊していて,記憶がないというのもあながちうそではないことがうかがわれ,かつ,被疑者が「記憶はないが,被害者が被害に遭ったというのであれば間違いないと思う」旨の供述をしていれば, 自白している被疑者に準じて罪証隠滅のおそれの有無を判断できることが多いと考えられる。示談の意思も示すなどしていればなおさらである。』
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