独立したての弁護士を狙ってくる「お客さん」のこと(弁護士業・雑感)
2021年09月01日弁護士業・雑感
私も、もう独立して8年になります。波はありますが、大きな失敗をすることもなくお客様に支えられて続けてくることが出来ました。
そんな私の思い出話です。
私が独立した1年目、怪しい企業さんからのご相談が結構ありました。どこも相談料も取らずにお引き取りいただいたのですが、「顧問を考えている」とか、「簡単な事件ですから。」とか、「先生はすごく優秀だ。」とかおもねるようなことを言われました。話のおかしな点を問いただすと、ごまかしたり、ひどいのは逆ギレをしてきました。
2年目以降はそういうのはなくなりました。
独立したては怪しいのが来るようです。これから独立される弁護士も気を付けられた方がよいと思います。そういうところと上手く付き合ってお金にするのが「切れ者」の弁護士と思われる方もいるかもしれませんが、そういうお付き合いって大変と思います。ボスができたからといって、自分もできるとは思わない方がよいです。
私の師匠は春山九州男先生ですが、春山先生からは「当たり前の回答で救えるお客さんだけを相手にしなさい。」と言われていました。春山先生は依頼者のために徹底的に「最善の結果」を追求する先生だったので、当時は意外に感じたのですが、あとでこういうことかなと思いました。筋が通っているということであれば、法律上は一見難しい話であっても全力を尽くさなければならない。だが、筋のとおらない話、不当な話などをお客さんだからとおもねるような仕事をしてはいけない、と。
実際、春山先生のお客さんは、皆さん真剣な相談をされる方でした。時たま変な話をもってくる方がきても、すぐに離れていきました。で、大繁盛しています。
私も同じように、真剣な相談に、全力を尽くして、信用される弁護士になろうと考えています。