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薬院法律事務所

刑事弁護

大麻所持で摘発されたが、報道されないか不安という相談(警視庁の場合)


2026年01月12日刑事弁護

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

Q、私は、東京都に住む40代イラストレーターです。専業でやれていますので、それなりの知名度はあると思います。顔写真もネット上に出ています。昨年、興味本位と仕事のストレスから大麻を購入するようになりました。ところが、先日職務質問を受けて大麻を持っていることがバレてしまいました。逮捕はされなかったのですが、今後警察から呼ばれることもあると言われています。処罰されるのはしょうがないのですが、報道されないかが心配です。今の時代、仮に大麻所持が発覚した場合には、仕事をいっぺんに失うと思います。どうすれば良いでしょうか。

A、この問題は2つの場面に分けないといけません。起訴されるまでに報道されるかということと、起訴された後に報道されるかということです。起訴された後は公開の法廷で裁判が開かれますので、傍聴席にいるマスコミ関係者が気が付いて報道されるリスクがあります。起訴前については、警察の報道発表の対象になるか否かが問題です。弁護人をつけて報道発表の回避と起訴の回避のために動いてもらうのが良いと思います。

 

【解説】

犯罪については、検挙された事件のすべてが警察から公開されるわけではありません。逮捕案件にはついては原則として報道発表の対象となされているようですが、在宅事件については個別判断となっています。起訴された場合には公開の法廷での裁判となるためにマスコミ関係者などに知られて報道される可能性がありますが、起訴前については、警察との交渉により報道発表の対象とされない可能性があります。弁護人を選ぶときには、この点についても十分な配慮をする弁護士を選ぶ必要があるでしょう。

 

大麻所持・自己使用事件弁護要領

【告知】季刊刑事弁護121号に「警察の報道発表回避(実名報道回避)のための弁護活動」が掲載されます

 

【参考文献】

警視庁総務部『令和6年5月8日 副署長・次長会議 広報課長指示事項』(警視庁,2024年5月)

【発表の要否や内容は、①関係者のプライバシー等の権利•利益、②公表することで得られる公益、③捜査に与える支障を総合的に考慮して個別具体的な事案ごとに判断する】

大阪地判平24・4・11(警察公論2013年8月号付録『平成25年版警察実務重要裁判例』58-60頁)

【報道発表は, いずれにしても発表により個人が特定される場合, その者の名誉を傷つけることになるから, 「真実であること」 と 「もっぱら公益目的であること」があって初めて違法性が否定されることになる。報道発表に当たっては, この2点について慎重に判断する必要がある。このことは,公式の発表に限らない。捜査の過程では,非公式に報道機関等に捜査に関する情報を伝える場合もないではなかろうが, このような場合にも特に留意すべきである。】