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薬院法律事務所

刑事弁護

CBN製品はいつから違法になるのか。2026年6月1日から所持・使用・販売等が禁止されます


2026年05月10日刑事弁護

2026年3月18日、厚生労働省は、CBN、カンナビノールを指定薬物として指定する省令を公布しました。

施行日は、令和8年、2026年6月1日です。
施行後は、CBNとCBNを含む製品について、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、授与、所持、使用等が禁止されます。(厚生労働省)

CBN製品は、これまでCBD関連製品の一種として、オイル、リキッド、グミ、カプセル、クッキー、電子タバコ用製品などの形で販売されてきたことがあります。そのため、「以前は普通に買えたものだから大丈夫だろう」と考えている方もいるかもしれません。

しかし、2026年6月1日以降は、CBNを含有する製品について、所持や使用を続けること自体が問題になる可能性があります。

 

CBNとは何か

 

CBNとは、カンナビノールのことです。

厚生労働省の資料では、今回新たに指定薬物とされた物質について、通称等として「CBN、カンナビノール」と記載されています。

今回の規制は、CBD全体が禁止されるという話ではありません。
問題となっているのは、CBN、カンナビノールを含む製品です。

もっとも、CBD製品であっても、Δ9-THCの残留限度値を超えるものは、麻薬として規制される可能性があります。麻薬取締部は、CBD関連製品中に残留する可能性があるΔ9-THCについて、製品の形状に応じて残留限度値が設けられ、令和6年12月12日以降、その限度値を超えて検出されたものは、大麻由来であるかどうかにかかわらず麻薬として取り扱われると説明しています。(ncd.mhlw.go.jp)

したがって、カンナビノイド製品については、
「CBDだから大丈夫」
「海外では合法だから大丈夫」
「以前買ったものだから大丈夫」
とはいえません。

 

いつから禁止されるのか

 

CBNの指定薬物規制は、2026年6月1日から施行されます。

厚生労働省は、2026年3月18日付けで、危険ドラッグに含まれる1物質を新たに指定薬物として指定する省令を公布し、令和8年6月1日に施行すると発表しています。(厚生労働省)

そのため、2026年5月時点では、CBN製品の所持・使用等が直ちに今回の指定薬物規制に違反するわけではありません。

しかし、2026年6月1日以降は扱いが変わります。

厚生労働省は、CBNについて、精神毒性を有する蓋然性が高く、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物であることが認められたとして、令和8年6月1日より指定薬物に指定し、CBN製品の製造、輸入、販売、所持、使用等を禁止すると説明しています。(厚生労働省)

 

以前買ったCBN製品を持っている場合はどうすればよいか

 

重要なのは、施行前に適法に購入した製品であっても、施行後に所持・使用を続ければ問題になり得るという点です。

厚生労働省は、所定の手続を行わない消費者や事業者に対して、令和8年6月1日以降はCBN製品の使用等が禁止されることを踏まえ、保有するCBN製品を廃棄するよう案内しています。廃棄にあたっては、廃棄物を盗取されないよう適切な方法をとることも求めています。(厚生労働省)

したがって、現在CBN製品を持っている方は、少なくとも2026年6月1日以降も手元に残したままにしないよう注意する必要があります。

ここで注意すべきなのは、他人に譲ったり、売ったり、SNSで「欲しい人にあげます」と呼びかけたりしないことです。

施行後は、所持や使用だけでなく、販売、授与、輸入、製造等も問題になります。不要になったからといって、知人に譲ったり、フリマアプリやSNSで処分したりすることは避けるべきです。

 

違反した場合の罰則

 

指定薬物については、医療等の用途以外での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されています。

厚生労働省は、指定薬物について、罰則は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、業として行った場合は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金と説明しています。(厚生労働省)

これは軽い規制ではありません。

特に、販売業者、輸入業者、ネットショップ、フリマ出品者、インフルエンサー、アフィリエイト関係者などは注意が必要です。

個人で使用していた場合でも、施行後に所持・使用していれば刑事事件化する可能性があります。事業として販売・輸入・宣伝に関与していた場合には、さらに重い評価を受ける可能性があります。

 

医療目的で使っている場合はどうなるのか

 

例外もあります。

厚生労働省は、他に代替できる治療法がない難治性の疾患または障害の診断を受け、CBN製品を使用する必要性があると認められる方については、所定の手続を経ることで、CBN製品を継続的に使用できる場合があると説明しています。(厚生労働省)

ただし、これは自由に使い続けてよいという意味ではありません。

患者側では、医療等の用途に係る報告書、診断書、学会等への意見書発行依頼書などの提出が必要とされています。厚生労働省は、提出書類をもとに医療等の用途として認められる場合には、患者に「指定薬物の用途に係る確認書」を交付するとしています。

つまり、単に
「睡眠に使っている」
「リラックス目的で使っている」
「体調管理のために使っている」
というだけで、当然に例外扱いになるわけではありません。

医療目的で継続使用が必要な場合には、厚生労働省が定めた手続に従う必要があります。

 

事業者は何に注意すべきか

 

CBN製品を販売していた事業者、輸入していた事業者、在庫を保有している事業者は、特に注意が必要です。

厚生労働省は、販売等事業者について、営業所ごとに誓約書を地方厚生局の麻薬取締部に提出し、確認印が押された誓約書の送付を受けることで、一定の販売等を行うことができると説明しています。また、在庫報告や製品ごとの帳簿作成も必要とされています。(厚生労働省)

さらに、CBN製品の輸入については、販売等誓約書の提出に加え、輸入の都度、指定薬物輸入監視要領に基づく事前手続が必要とされています。(厚生労働省)

事業者にとって重要なのは、在庫を持っているだけでなく、広告や表示も問題になり得ることです。

厚生労働省は、指定薬物について、医療等の用途に使用する者を対象として行う場合を除き、何人も広告を行ってはならないとしています。たとえば、不特定多数に向けたインターネット販売サイトでのCBN製品の販売や、営業所等でのCBN製品の陳列は認められないと説明しています。(厚生労働省)

したがって、事業者は、単に販売を止めるだけでは足りません。

  • ECサイトの商品ページを残したままにしていないか
  • SNS投稿や広告が残っていないか
  • 店舗に陳列したままになっていないか
  • 在庫管理、廃棄記録、帳簿が整理されているか
  • 患者向けに取り扱う場合の確認手続を踏んでいるか
  • 輸入予定の商品にCBNが含まれていないか

これらを確認する必要があります。

 

「知らなかった」で済むのか

 

刑事事件では、「違法だと知らなかった」というだけで当然に責任を免れるわけではありません。

もちろん、個別事件では、本人が何を認識していたのか、製品表示に何と書かれていたのか、どこで購入したのか、販売業者からどのような説明を受けていたのか、成分表示や分析証明書を確認していたのか、といった事情が問題になります。

しかし、CBN入りであることを前提に購入していた場合、パッケージや商品ページに「CBN」と明記されていた場合、リラックス作用や睡眠作用をうたう商品として購入していた場合などには、「成分を知らなかった」と説明することは難しくなります。

また、施行後にSNSやフリマアプリで譲渡・販売した場合には、単なる個人使用よりも重く見られる可能性があります。

特に、販売事業者、輸入事業者、アフィリエイト関係者、インフルエンサーなどは、「法改正を知らなかった」という説明が通りにくい場面も考えられます。

 

CBD製品も確認が必要です

 

今回指定薬物に指定されたのはCBNですが、CBD製品だから安全ということにはなりません。

CBD関連製品については、すでにΔ9-THCの残留限度値が問題になっています。厚生労働省は、残留限度値を超えるΔ9-THCが検出された製品について、麻薬及び向精神薬取締法上の「麻薬」に該当する疑いがあるとして、販売、購入、摂取等を行わないよう注意喚起しています。(厚生労働省)

福岡県も、令和6年12月の法改正により、食品や電子タバコ等に含まれるΔ9-THCの残留限度値が設定され、限度値を超えるものは麻薬及び向精神薬取締法上の「麻薬」として規制されると説明しています。(福岡県公式サイト)

つまり、カンナビノイド製品については、二つの観点で確認が必要です。

一つは、CBNが含まれていないか。
もう一つは、Δ9-THCが残留限度値を超えていないか。

特に、海外から個人輸入した製品、インターネットで購入した製品、成分表示が不明確な製品、分析証明書が確認できない製品については注意が必要です。

 

警察や麻薬取締部から連絡が来た場合

 

CBN製品やCBD関連製品について、警察、麻薬取締部、都道府県の薬務課などから連絡が来た場合には、軽く考えない方がよいです。

その場で不用意に説明すると、後から供述内容との整合性が問題になることがあります。

特に、次のような場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

  • CBN製品を施行後も持っていた
  • CBN製品を友人に譲った
  • フリマアプリやSNSで販売・譲渡した
  • 海外からCBN製品を輸入した
  • CBD製品からTHCが検出されたと言われた
  • 店舗や倉庫に在庫が残っている
  • 警察や麻薬取締部から事情聴取を求められている
  • 自宅や店舗に捜索が入った
  • 家族がCBN製品や大麻関連製品を使用していた

特に、事業者の場合には、個人使用の問題にとどまらず、業としての販売、広告、輸入、在庫管理、帳簿、従業員の関与など、複数の問題が重なります。

 

まとめ

 

CBN、カンナビノールは、2026年6月1日から指定薬物として規制されます。

施行後は、医療等の用途以外の目的で、CBNを含む製品を製造、輸入、販売、授与、所持、使用することが禁止されます。

以前に購入した製品であっても、施行後に所持・使用を続ければ問題になる可能性があります。不要になった製品を他人に譲ったり、売ったりすることも避けるべきです。

また、CBD製品についても、CBNの有無だけでなく、Δ9-THCの残留限度値を超えていないかが問題になります。

薬物事件では、
「違法だとは知らなかった」
「昔買ったものだから大丈夫だと思った」
「自分で使うだけだった」
という説明だけでは十分でないことがあります。

CBN製品やCBD関連製品について警察等から連絡を受けた場合、あるいは事業者として在庫・販売履歴・広告表示等の対応に不安がある場合には、早めに弁護士に相談してください。