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薬院法律事務所

刑事弁護

chatGPT o1 proに私の弁護要領を検証してもらいました(下着盗撮、刑事弁護)


2025年01月26日刑事弁護

chatGPT o1 proに私の弁護要領を検証してもらいました。

以下は、下着盗撮事件についてです。

下着盗撮事件弁護要領(性的姿態等撮影罪・迷惑防止条例)

以下では,ご提示の文章(以下「本文」といいます)について,主に(1) 法律学(主として刑法・刑事訴訟法および迷惑防止条例),(2) 捜査実務,(3) 刑事弁護実務の観点から,その真偽・妥当性を検討します。なお,本文で言及されている新設の「性的姿態等撮影罪」(令和5年改正) は実務運用が定まっていない部分もあり,また迷惑防止条例は各都道府県によって細かな差異が存在します。そのため以下の検討はあくまで一般論であり,地域や事案ごとの取扱いに差異があり得ることにご留意ください。


1 総論的評価

本文は「公共の場所等でスカート内の下着を撮影した」といった典型的盗撮事犯を想定し,捜査機関側の見通しと弁護活動の方針を丁寧に説明しています。捜査手続の流れや,示談・自首・押収・取調・送検後の処理まで幅広くカバーしており,新しい「性的姿態等撮影罪」の趣旨もある程度踏まえながら,迷惑防止条例違反との比較にも言及しています。大枠としては以下のとおり大筋で妥当と評価できます。

  • 捜査の端緒が多くは現行犯であること
  • 押収・捜索が行われる可能性とその回避策,パスワード開示の問題点
  • 示談の重要性と,ただし被害者が不明の場合の扱い
  • 自首のメリット・デメリット
  • 余罪の自己申告と量刑・立件リスクのバランスに関する説明
  • 送検後の略式罰金(30万~50万円前後)の相場感や不起訴への働きかけ(示談・通院等)の方法

これらは実務上よく見られる状況や弁護士実務の考え方とも整合しており,本文の全体像は大筋で正確かつ妥当と考えられます。以下,項目ごとに,やや詳しく検証していきます。


2 項目別の検討

(1) 捜査の端緒

a. 現行犯による検挙が多い

「捜査の端緒は大半が現行犯です。目撃者に見つかって取り押さえられる…」

これは実務的にそのとおりで,とくにスマートフォンでの盗撮は,周囲が気づきやすい環境やカメラ音,または目撃者によりすぐ声をかけられて取り押さえられる事例が非常に多いです。また,逃亡事例では後日に防犯カメラなどから特定され,逮捕状による逮捕に発展する例も確かに見受けられます。

b. 被害届が出なかった場合に説諭で終わるケース

「…警察署で説諭を受け,映像を消して…終わるというパターンもあります。」

実務上も,ごく軽微な事案や,被害者本人が被害届を望まないなどの場合,捜査機関の裁量でいわゆる「説諭のみ」で終了するケースはあり得ます。ただしこれはあくまで被害者の協力(すなわち被害届を出さない意向)や,被害態様の軽微さ等が揃った特殊な場合です。本文にあるように,絶対ではありませんが実務上一定数は存在します。

c. 弁護士への相談経路

「自白して携帯電話を任意提出したが逮捕はされなかった」「家族が警察から連絡を受けて相談が来る」等

記載のとおり,盗撮事犯では初回で現行犯逮捕に至らないケースも少なくありません。本文が説明している内容は実務上も十分に起こり得る典型例で,妥当といえます。


(2) 捜索・押収

a. 任意提出と捜索・差押令状

「スマートフォンや自宅PC等の任意提出を求められ,拒むと捜索差押される可能性がある」

ここは実務上も正しい解説です。盗撮事犯では余罪や記録媒体の確認を重視されるため,家宅捜索や,そこまでいかなくても任意提出の形が多用されます。特に令状(検証許可状・差押令状)を取ってまで解析される事例もあります。

b. 捜索の回避を試みる弁護方針

「任意提出や意見書提出によって捜索差押を回避しようとする」

本文で紹介されている最高裁昭和44年判決の趣旨に基づき,「強制捜索による被差押者の不利益との比較衡量」を捜査機関に促す意見書を出すのは,実務弁護人の一部で行われている手法です。ただし確実に回避できる保証はない点も,本文に記載のとおりです。内容的に不正確な点は見当たりません。

c. 余罪提出のリスクと量刑上の考慮

本文では,裁判官や学説の文献を引用しながら,「同種前科」がある場合ほどではないが「常習性の一端にはなる」という点を丁寧に解説しています。一般的な量刑論としてもおおむね正しい説明です。


(3) 被害者への確認・目撃者や防犯カメラの調査

本文では「被害者不詳の場合にも,職場などが判明すれば捜査が及ぶこと」「防犯カメラ映像や交通系ICカード履歴等で足取りを追う」と述べられています。これらも実務上,非常によくある捜査手法です。

たとえば自白事件の場合でも,警察は「本件以外の同種行為を繰り返していないか」を確認するためにICカード履歴や防犯カメラをチェックすることがあります。本文記載は現実の捜査実務に即しており,特段誤りはありません。


(4) 犯行状況再現

「警察署でマネキン等を使って再現を求められ,条例違反の既遂・未遂や『差し向け』の有無を確認する」

捜査実務的にもこうした方法は用いられますし,本文が述べるように「どの程度近づけたか」「下着部分が撮影可能な角度にカメラを向けたか」が迷惑防止条例あるいは性的姿態等撮影罪成立の要件(既遂・未遂)に関係してくるのもそのとおりです。本文の説明は適切です。


(5) 取調

「所要時間や尋ねられる事項など」

本文で挙げられている「動機,犯行方法や回数,使用機器,保存データ,余罪」等はまさに捜査機関が重視するポイントで,挙げられている内部資料の引用含め実務に則しています。

a. 弁護人による「陳述書」の提出

「弁護人が先に『陳述書』を作成して提出すると,取調時間が短くなる場合がある」

実務上,ごく一部の弁護士はあらかじめ詳細な被疑者の供述をまとめた書面を作成し,警察に提出することがあります。もっとも本文にもあるとおり,作成に手間がかかり,後日供述が変遷してしまうリスクを考慮して,行わない弁護士も多いです。これは実際に賛否ある手法ですが,本文の記載は十分あり得る弁護戦略として整合的です。


(6) 送検後(示談交渉・検察官対応)

「初犯かつ被害者と示談済みの場合,不起訴(起訴猶予)が多い一方,示談不成立だと略式請求で罰金30万円程度が相場…」

一般論として,迷惑防止条例違反や軽微な盗撮事犯で初犯の場合,示談が成立していれば起訴猶予・不起訴となる事例も現場実感としては多めです。ただし地域差や事案の悪質性・被害者の意向などで左右されます。逆に常習性が明らかな場合,罰金額が引き上げられたり,一定の事情で正式起訴になる例もあります。

「初犯なら30万円程度の罰金」は実務相場としてはかなり多く言及されており,おおむね妥当です。近年はやや高額化傾向もあるといわれるので「30万円~50万円」と振れ幅を持たせる弁護人も多いところですが,本文の言い方は極端な誤りではありません。

a. 示談書よりも「被害者の処罰意向」が重要

「示談そのものよりも,検察が重視するのは被害者の処罰感情である。だから『示談書』にこだわらない」

ここは刑事実務上も非常に重要なポイントで,正確です。示談書に賠償額を明記するより,被害者が「処罰を求めない」旨を直接検察に伝えてくれることがとにかく大きな意味を持ちます。本文の説明は妥当です。


(7) 被害者不詳の場合

a. 被害者が申し出を拒んでも条例違反で立件可能

「迷惑防止条例は社会的法益の保護も目的としているため,被害届のないまま立件されることもある」

各都道府県の迷惑防止条例では,「公衆に著しく迷惑をかける行為」の規制という公共的要素が強いものが多く,とくに盗撮行為については必ずしも被害者の告訴・被害届が要件ではないという点はそのとおりです。本文のとおり,「性的姿態等撮影罪」(新法) の運用はまだ流動的な部分がありますが,条例違反の手続として,被害者不詳でも捜査を進め,起訴される事例は確認されています。本文の説明は概ね実態を捉えています。

b. 捜査機関が職場などに出向くリスク

「職場に捜査が及ばないよう警察に働きかける可能性」

本文は「担当警察官と相談すれば職場調査を回避できるかもしれない」とも記載していますが,これは弁護人の交渉次第で柔軟に対応がなされる事例があるのも事実です。もちろん警察の方針によっては回避困難な場合もあります。


3 法律上の根拠・判例の引用の妥当性

本文中には,迷惑防止条例違反をめぐる判例(最高裁平成20年11月10日決定 等)や,常習性認定に関する文献,大阪高裁判例などが多数引用されています。列挙されている文献・判例はいずれも実際に存在するものであり,内容も実務の主要な参考となるものです。とくに,

  • 昭和44年3月18日最高裁決定(捜索・差押の必要性判断に関する有名判例)
  • 最決平成20年11月10日(いわゆる下着盗撮の差し向け要件に関連する条例解釈の重要判例)

などは,よく盗撮事案の差押要否や条例解釈で言及される典型例です。提示された文献は「実際に確認できる文献名」が並んでおり,虚偽であるようなものは見当たりません。学説引用部分も一般的な理解と概ね矛盾しません。


4 令和5年改正「性的姿態等撮影罪」への言及

本文には,2023(令和5)年の刑法等改正で新設された「性的姿態等撮影罪」の解説や参考文献が挙げられています。まだ施行間もなく実務運用が定まっていないため,本文も「従来の迷惑防止条例との関係」「被害者の個人的法益としての扱い」が今後どのように発展するか明言できない部分があることを示唆しています。この点について本文は「まだ実務運用が固まっていません」としながらも注意点を概説しており,新しい状況を踏まえた慎重な書きぶりといえます。ここも不正確な言及は特に見当たりません。


5 捜査実務・刑事弁護の観点から見た留意点

本文の方針・見通しは大筋で適切ですが,実際の弁護実務に照らして以下のような留意点・補足事項も考えられます。

  1. 地域差・捜査機関の方針の差
    迷惑防止条例違反や盗撮の捜査については,都道府県警や検察庁によって取り扱いが異なる場合があります。本文は福岡県警や警視庁等の資料も挙げているように,各地の条例や内部資料を参照しており,その点は幅広いですが,実際には「まったく不起訴にならない地域」「必ず一度は家宅捜索を行う運用の地域」などの差異がある可能性を念頭に置く必要があります。
  2. 示談金の相場・科料・罰金額の変動
    本文では罰金30万円前後を例示していますが,昨今は迷惑防止条例違反でも被害者感情が厳しく,検察官の求刑が高額化する傾向があるとも言われます。場合によっては50万円~70万円程度になる可能性も否定できず,本文が「30万~50万円程度」と記載している点は概ねの相場としては正しいものの,事案によって大きく振れることもあるため,あくまで一般例と理解しておく必要があります。
  3. 「自首」効果の限界
    本文で「自首が逮捕回避に有用」との説明がありますが,実際には「自首とみなされる要件」を満たすかどうか慎重な検討が必要です。また発覚していない他の余罪まで含めて届出ると発生するリスクもあり,「必ず逮捕回避になる」とは限らないことを依頼者へ丁寧に説明する必要があります。本文でもメリット・デメリットを指摘していますが,より強調してもよい点です。
  4. 「差し向け」未遂・既遂の境界
    本文が取り上げる「差し向け」要件は,全国的にも争点となることが多く,近年最高裁まで争われた事例もあります。撮影対象の下着が映っていなくても,「盗撮可能な距離・角度にカメラを差し向けた」という未遂や条例違反が成立する可能性は相応にあります。本文の説明は概ね正しいのですが,実務上はごく微妙な位置関係・行為態様が争点になることが多いため,より詳細な検討が必要になることも珍しくありません。

6 結論

以上のように,本文は,

  • 盗撮事案における捜査機関の典型的な動き
  • 弁護人としての各段階での活動方針
  • 余罪の扱い・示談交渉・起訴猶予への働きかけ
  • 新法「性的姿態等撮影罪」と迷惑防止条例の関係

といった内容を広範にカバーしており,かつ引用文献や判例も実在の資料に基づいています。捜査手続や量刑相場の説明についても,実務で一般的に観察される傾向と合致し,大枠で誤りや不正確さは認められません。また,新設法の運用についても「まだ安定していない」と慎重な姿勢を示しており,不適切な断言も見られません。

したがって,本文の内容はおおむね正確かつ妥当なものと評価できます。ただし,実際の事件では地域差や担当捜査官・検察官の姿勢,被害者の意向,余罪の有無,被疑者の職業・経歴等で処分結果が大きく変わり得る点は留意を要します。本文自体も「事案ごとに異なる」と断りを入れているとおり,最終的な方針は個別事件の状況や依頼者の事情を丁寧に検討した上で決定されるべきです。

盗撮事件の刑事法解釈・捜査実務・刑事裁判実務・刑事弁護実務一覧(性的姿態等撮影罪・迷惑防止条例)※随時改訂