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薬院法律事務所

刑事弁護

伊藤梨奈「実務刑事判例評釈(case 337)最決令4.12. 5手に持った小型カメラを女性のスカートの裾と同程度の高さからその下半身に向けて構えるなどした行為が、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(東京都)の「人を著しく差恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるとされた事例」警察公論2023年10月号85頁


2024年01月29日読書メモ

警察公論の人気連載で「実務刑事判例評釈」というものがあります。現職の検事が最新判例について解説するもので、警察官にも幅広く読まれています。ただ、弁護士はあまり購読していないようです。警察公論2023年10月号では、迷惑防止条例の「卑わいな言動」についての最高裁判例の解説がありました。「卑わいな言動」にあたるかは総合評価ですので、どういった行為が「卑わいな言動」にあたるかを分析しないといけません。この記事はその参考になるものです。

 

立花書房 / 警察公論2023年10月号(第78巻第10号) (tachibanashobo.co.jp)

 

【本件は、被告人が、東京都内の開店中の店舗内において、膝上丈のスカートを着用した女性客の後方至近距離から、前かがみの姿勢になった同人のスカートの裾と同程度の高さで、その下半身に向けて、手に持った小型カメラを構えるなどした、いわゆる迷惑防止条例違反の事案である。
この種の事案においては、検挙された者が下着等を盗撮することを目的としていたことが疑われるものの、撮影された画像等が不鮮明であったり、画像等が消去されていたなどの事情から、盗撮行為を認定することが困難な場
合や、被害者と撮影機器の位置関係を証拠上厳密に特定することができず、差し向け行為を認定することが困難な場合が少なくないと思われる。】

 

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91574

事件番号
 令和4(あ)157
事件名
 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)違反被告事件
裁判年月日
 令和4年12月5日
法廷名
 最高裁判所第一小法廷
裁判種別
 決定
結果
 棄却
判例集等巻・号・頁
 刑集 第76巻7号707頁
原審裁判所名
 東京高等裁判所
原審事件番号
 令和3(う)326
原審裁判年月日
 令和4年1月12日
判示事項
 スカート着用の前かがみになった女性に後方の至近距離からカメラを構えるなどした行為が、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるとされた事例
裁判要旨
 開店中の店舗において、小型カメラを手に持ち、膝上丈のスカートを着用した女性客の左後方の至近距離に近づき、前かがみになった同人のスカートの裾と同程度の高さで、その下半身に向けて同カメラを構えるなどした本件行為は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たる。
参照法条
 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)8条1項2号

 

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判例評釈 大阪高裁令和元年8月8日(清水庸平 法務省刑事局付検事 警察公論2020年3月号)

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