【えん罪】盗撮の疑いで捜査されているが、弁護士をつけるべきかという相談(盗撮、刑事弁護)
2024年09月11日刑事弁護
※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。
【相談】
Q、先日、エスカレーターでスマホを利用していたところ、前にいた女性から「盗撮しているのではないか」といわれて警察を呼ばれました。私は盗撮はしていませんので警察官にスマホの中身を見せたのですが、女性は私が盗撮したと疑っているようです。インターネットを調べると、盗撮をしていなくても「卑わいな言動」として処罰されることがあると見て不安になっています。弁護士をつけるべきでしょうか。
A、弁護人をつけるべきかはともかく、弁護士の面談相談は受けるべきでしょう。
【解説】
現在、下着盗撮行為については「性的姿態等撮影罪」で処罰されるようになっています。もっとも、実際には「盗撮」をしていなくても、「盗撮していると見えるような行動」をしている場合にや、つきまとっていると見られる場合には、迷惑行為防止条例の「卑わいな言動」として処罰されるリスクがあります。この基準については曖昧な部分が多いので、具体的な事実関係に照らして判断しなければいけません。弁護人から意見書を提出することが有用なこともあります。事件として立件されているのであれば、弁護人をつける必要性は高いと思います。
【参考判例】
最判令和4年12月15日
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91574
判示事項
スカート着用の前かがみになった女性に後方の至近距離からカメラを構えるなどした行為が、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるとされた事例
裁判要旨
開店中の店舗において、小型カメラを手に持ち、膝上丈のスカートを着用した女性客の左後方の至近距離に近づき、前かがみになった同人のスカートの裾と同程度の高さで、その下半身に向けて同カメラを構えるなどした本件行為は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たる。
※2025/1/4 chatGPT o1 proに検証してもらいました。
以下の回答は、提示された文章が現行法や実務の状況に照らして、正しい内容(真)か否かを検討する目的でまとめたものです。法的アドバイスではない点にご留意ください。
1. 文章の概要
- 相談者:エスカレーターでスマホを操作していただけなのに「盗撮している」と疑われ、警察を呼ばれてしまった。
- 相談内容:実際には撮影していないが、条例違反(卑わいな言動)や「性的姿態等撮影罪」などで処罰される可能性があるのか。弁護士は必要か。
- 回答・解説では、
- 下着等を撮影する行為は「性的姿態等撮影罪」(2023年7月施行)で処罰される場合がある
- 盗撮していなくても「盗撮のように見える行動」をしていると、各都道府県の迷惑防止条例(卑わいな言動等)で処罰リスクがあり、判例(最判令和4年12月15日)でも「撮影行為かどうか」の実態だけでなく、被害者に与える羞恥や不安が重要視される
- 「事件として立件されているのであれば、弁護人の選任を含め、弁護士との相談が必要」という趣旨
2. 主要論点と真偽の検討
(1) 「盗撮」の法的規制と現行の「性的姿態等撮影罪」
- 2023年7月施行の「性的姿態等撮影罪」
- 従来は、都道府県迷惑防止条例や軽犯罪法などで「盗撮」行為を処罰していたが、2023年に刑法の特別法として「性的姿態等撮影罪」が新設された。
- 条例でも引き続き取り締まり可能だが、より厳格に取り締まる全国法ができたことで、「盗撮」への取り扱いが明確化・重罰化された側面がある。
- 条例での処罰継続
- 条例の適用場面は依然として存在し、改正前同様に「盗撮行為」や、盗撮を思わせる卑わい行為が条例違反となる可能性がある。
- 具体的には「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(通称:迷惑防止条例)」の「卑わいな言動」等が該当する。
真偽評価
- 文章にある「現在、下着盗撮は「性的姿態等撮影罪」で処罰対象となっている」という記述は、概ね正確です。条例や新法どちらの適用になるかは個別事案次第ですが、「実際に撮影していない場合でも疑われる余地がある」という解説自体も事実に反していません。
(2) 「盗撮」に至らなくても「卑わいな言動」で処罰されるリスク
- 迷惑防止条例(都道府県によって名称・条文構造が多少異なる)では、「人を著しく羞恥させ、または人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」を禁止している条項がある。
- 実際に撮影をしなかった、あるいは撮影が確認されなかったとしても、以下のような行為が処罰対象となる可能性がある。
- 「スカート内を狙ってカメラを向ける」などの行為
- 「つきまとい行為に近い振る舞い」など、被害者に強い不安や羞恥を与える行為
- 文章が示す最判令和4年12月15日も、「実際に撮ったかどうか」だけでなく、「被害者の下半身にカメラを向けた行為」が卑わいな言動と認定された事例である。
真偽評価
- 「盗撮」自体が成立しなくても、カメラを向けたり、被害者に『撮られているかも』と思わせるような不安を与えれば、条例違反が成立し得るという点は、判例や実務上の通説と合致します。
- よってこの部分も、正確性が高い説明と言えます。
(3) 弁護士への相談の必要性
- 刑事事件として捜査が進む可能性がある場合、早期に弁護士に相談し、事実関係を整理しておくことは一般的に推奨されます。
- 逮捕・勾留されるリスクがある場合や、示談交渉が必要になる場合、弁護士がつく意義は大きい。
- 文章中で「弁護人をつけるべきかはともかく、面談相談は受けるべき」とされているのは、刑事手続の初期段階での弁護活動の重要性を踏まえたアドバイスとして、実務的にも妥当な見解です。
真偽評価
- 刑事事件(盗撮疑い)では、「心当たりがないから大丈夫」と自己判断していると、捜査・起訴の過程で不利に扱われるリスクもあり得ます。
- 文章の「事件として立件されている可能性があるなら弁護士が必要」という指摘は真っ当で、虚偽や誤解を招く内容はありません。
(4) インターネット情報と実際のリスク
- 文章中、「インターネット上で『盗撮でなくても卑わいな行動として処罰される』と書かれていて不安になった」という相談内容があります。
- 実際、ネット上に氾濫する情報には玉石混交があり、誤解を助長するような記述も多い。しかし、迷惑防止条例違反や「卑わいな言動」に関するリスク自体は実際に存在するため、いったん専門家に相談するのは妥当な対応です。
真偽評価
- ネット情報だけで「大丈夫」「絶対に不起訴」など断定するのは危険であり、弁護士など専門家に相談すべきという文章の主張は、極めて現実的かつ正当な内容です。
3. 全体的な評価と結論
- ご提示の文章は、「盗撮」疑いに対する刑事リスク、条例による処罰可能性、弁護士の必要性などを解説するものです。
- 内容のポイント:
- 実際に撮影していなくても、撮影しようとしているように見えれば条例違反(卑わいな言動)を問われるリスクがある
- 2023年の刑法改正で「性的姿態等撮影罪」が新設されたが、都道府県迷惑防止条例も引き続き適用される
- 事件として捜査される可能性があるなら、早めに弁護士相談をすることが望ましい
- これらは現行法令や実務の運用とも整合的であり、明らかな誤りや事実誤認は見当たりません。
結論
- 文章の**「真偽」という観点では、極めて真(正確性が高い)**と言えます。
- したがって、「盗撮疑い」をかけられている人が抱く不安やリスク、弁護士相談の必要性について述べた内容は、実務や法令上も妥当な説明です。
- 参考判例(最判令和4年12月15日)の趣旨とも整合的であり、虚偽情報ではないと判断できます。
〔補足メモ〕
- 実際には、捜査がどの程度進んでいるか、警察が何を根拠に疑っているかによって、弁護士の活用の仕方が異なります。
- しかし、少なくとも**「疑われていて不安」**という状況なら、早期に専門家へ相談することは有効です。文章がその旨を指摘しているのは、法的にも実務上も合理的な見解です。