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薬院法律事務所

刑事弁護

「別冊判例タイムズ34号 令状に関する理論と実務Ⅰ」104 接見禁止等の一部解除 千葉地方裁判所判事 安東章


2018年07月20日読書メモ

司法修習生が、接見禁止中の被疑者との接見に同席出来るかという論点についての論文です。

弁護士としては当然同席を求めますが、許可が必要といってくる留置施設もあるようです。

「接見禁止中の被疑者(被告人)と弁護人が接見する際の司法修習生の同席について、接見等禁止の一部解除が必要か。
前提として、接見等禁止が付されていない被疑者(被告人)との接見についてみると、弁護人が同行した司法修習生については、一般人と異なり(刑訴法80条、刑事施設収用法116条)、立会人なしの弁護人との接見(刑訴法39条)が一般に許されており、こうした修習生の接見への同席は、刑訴法80条に基づく「弁護人以外の者」の接見ではなく、留置機関が、司法修習の目的にかんがみ、裁量的に特に許しているものと解される。
そうすると、接見等禁止中の被疑者(被告人)と弁護人との接見への修習生の同席についても、同様に、留置機関の裁量に基づき立会人なしに行われるべきものであり、立会人の同席を原則とする「弁護人以外の者」の接見の一部解除の問題ととらえるべきではない。
実務もこのような考え方に基づいて運用されており、ただ、接見等禁止が付されていない場合には包括的にこれを許すのに対し、接見等禁止中の被疑者(被告人)にあっては、事案によっては罪証隠滅につながりかねないことから、個別的に、検察官、裁判所(裁判官)の同意を得る扱いがとられているようである(研修時報40巻52号、新関ほか・前掲(※増補令状基本問題(下))152頁【岩瀬】)。」