香川県迷惑行為防止条例第4条(卑わいな行為の禁止)の解説・痴漢・盗撮行為

下書きはchatGPTo1 proに作成してもらいました。加筆した部分を赤字にしています。

以下では、香川県迷惑行為等防止条例 第3条（卑わいな行為の禁止）を中心に、これまでの解説と同様のスタイルで詳細かつ分量多めに説明します。痴漢行為やのぞき・盗撮行為など、公共空間を中心とする多様な性犯罪的迷惑行為をどのように規制しているのか、条文構造や適用範囲、罰則を順を追って解説していきます。

1. 第3条（卑わいな行為の禁止）の背景・趣旨

(1) 条例全体における位置づけ

• 香川県迷惑行為等防止条例（以下「本条例」といいます）は、昭和38年制定当初から公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止を目的としており、以降も改正を重ねてきました。
• 第3条は、その中でも「卑わいな行為」に関わる迷惑行為を幅広く規制する中核条文です。いわゆる痴漢・盗撮・透視撮影といった性犯罪的行為から、卑猥な言動までを多角的にカバーし、公共空間等を利用する人々の安全と安心を守ろうとする意図があります。

(2) 保護法益

• 被害者の性的プライバシーや身体の自由を守ることが主要な狙いです。
• 公共の場所や乗物を含め、不特定多数が利用する空間で発生する痴漢や盗撮などは被害者に深刻な精神的苦痛を与え、社会全体の治安にも影響を及ぼすため、本条を設けて取り締まる必要があると考えられています。

2. 第3条第1項

（第3条第1項）
「何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
(1)　公共の場所又は公共の乗物において、人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような方法で、衣服の上から又は直接、人の身体に触れること。
(2)　人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物にいる人の衣服で覆われている下着又は身体を見、又は撮影すること（次号に規定する方法により行われる場合を除く。）。
(3)　正当な理由がないのに、写真機等を使用して衣服を透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物にいる人の衣服で覆われている下着又は身体を見、又は撮影すること。
(4)　前３号に掲げるもののほか、公共の場所若しくは公共の乗物にいる人又は公衆に対し、人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。」

(1) 規制対象の場所

• 公共の場所: 道路、公園、広場、駅、ふ頭、空港、興行場、飲食店など、不特定多数が自由に出入りできる空間を指します。
• 公共の乗物: 汽車、電車、バス、船舶、航空機等、多くの人が乗降する乗り物全般。
• 香川県警察本部「香川県迷惑行為等防止条例の逐条解説」(2020年7月)14頁【(4) 「において」行為者及び被害者の双方ともが、公共の場所又は公共の乗物に所在していることが必要である。】

本項は、こうした公共空間で行われる卑わい行為を規制し、被害者や周囲の公衆に深刻な迷惑をかける性犯罪を抑止する条文です。

(2) 禁止行為（第1項各号）

1. (1) 痴漢行為（身体接触）
   • 衣服の上から、あるいは直接他人の身体に触れる行為。
   • 満員電車やバスなどで臀部、胸部を触ったり押し当てたり、太ももや股間に故意に接触するなど典型的な痴漢行為が念頭にあります。
2. (2) 衣服で覆われた下着や身体を「見る」「撮影する」
   • スマホやカメラでの「盗撮」や、目視による「のぞき見」などが含まれます。
   • スカートやズボンの内側を隙間から覗く行為、鏡を使って見る行為など、多様な手段が想定されます。
3. (3) 透かし撮り
   • 「正当な理由がないのに、写真機等を使用し、衣服を透かして見る方法で、下着・身体を見たり撮影したりする行為」を禁止。
   • 赤外線フィルターや特殊レンズなどを用いた“透視撮影”へ対応した条項。
   • 技術の進展に伴う新たな盗撮手口が増加したため、条例改正で盛り込まれたと考えられます。
4. (4) 卑わいな言動
   • 接触やのぞき見、撮影以外の「卑わいな言動」であって、人の性的羞恥心を強く害するものを包括的に規制。
   • 公衆の前で卑猥な言葉を叫ぶ、性的な侮蔑発言を繰り返すなどが該当例となる。

(3) 「人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような方法」

• いずれの行為も、この要件が必要。言い換えると、「社会通念上、被害者に強い恥辱感・抵抗感・恐怖心を抱かせるような行為」であれば条例違反に該当し得る。
• 病院や介護など、正当な理由で身体に触れる場合などは適用外とされるのが一般的です。

(4) 典型事例

• 満員電車での痴漢行為（臀部や胸への接触）
• スカートの中をスマホカメラで盗撮
• 透視カメラ（赤外線）で衣服越しに身体を撮影
• 公共の場で卑猥な言葉を大声で発し、周囲を困惑させる

3. 第3条第2項

（第3条第2項）
「何人も、人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような方法で、教室、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物（公共の場所又は公共の乗物を除く。）にいる人の衣服で覆われている下着又は身体を撮影してはならない。」

(1) 規制対象となる場所の拡張

• 第1項が「公共の場所・公共の乗物」での行為をカバーするのに対し、第2項は「特定かつ多数の者が出入り・利用するが、公共の場所・乗物ではない」空間に範囲を拡大。
• 具体的には、会社の事務所、学校の教室、タクシー、貸切バスなどが想定される。
• 香川県警察本部「香川県迷惑行為等防止条例の逐条解説」(2020年7月)15頁【(9) 「にいる」
  第1号の「において」の場合は、行為者と被害者の双方が公共の場所又は公共の乗物に所在していることが必要であるが、本号では「にいる」であるので、被害者が公共の場所又は公共の乗物に所在していることが必要であるが、行為者は必ずしも公共の場所又は公共の乗物に所在している必要はない。
  一般的には、階段、エスカレーターを利用している女性や本屋で立ち読みをしている女性の背後から忍び寄り、手鏡等を使用してそのスカート内を見たり、写真機、ビデオカメラ等を使用して撮影する行為等が考えられる。
  一方、行為者が公共の場所又は公共の乗物に所在していない場合として、公園のベンチに座っている女性やエスカレーターや歩道橋を利用して歩行中の女性のスカート内を付近の個人の家屋内あるいは車両内から双眼鏡等でのぞいたり、撮影したりする行為等が考えられる。この場合、被害者において見られている、撮影されているという認識がない場合には、一見人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような方法ではないとの疑念があるが、偶然・自然に見えたり撮影されたというものでない限り、行為者が故意を持って見たり撮影すれば、およそその行為は人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような方法であるといえる。】

(2) 禁止される行為

• 衣服で覆われた下着・身体を「撮影」する行為。
• 第1項の(2)や(3)に対応し、のぞき見や触る行為は対象外となる点が特徴。つまりここでは盗撮に特化している。
• 「撮影」によって被害者のプライバシーを深刻に侵害する行為を規制するため、公共空間でなくても、多数が利用する場所なら取り締まるというスタンス。

(3) 典型事例

• 職場（事務所）で同僚の下着をスマホで撮影
• 学習塾の教室で他の受講生を隠し撮り
• タクシー車内で乗客の太ももを撮影

4. 第3条第3項

（第3条第3項）
「何人も、正当な理由がないのに、浴場、便所、更衣室その他の人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所における当該状態にある人の姿態を撮影してはならない。」

(1) 「人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態」でいる場所

• 浴場（銭湯・温泉）、便所、更衣室など、半裸や全裸でいる可能性が高い空間を想定。
• さらに「その他これらに準じる場所」も含むため、プライバシーの度合いが非常に高い状況と言える。

(2) 禁止される行為

• 当該状態にある人の姿を「撮影」する行為を禁止。
• 本項は「見る」行為の規定はなく、撮影行為が焦点。
• 衣服を脱いだ姿を映像として残されることは被害者に非常に大きなショックを与えるため、厳しく規制している。

(3) 典型事例

• 銭湯や温泉の脱衣所で隠しカメラを仕掛ける
• トイレ個室の壁上部から裸・半裸を盗撮
• スポーツジムの更衣室で着替え中の人を録画

5. 第3条第4項

（第3条第4項）
「何人も、第１項第２号若しくは第３号又は前２項の規定により禁止される撮影のために、写真機等を向け、又は設置してはならない。」

(1) 撮影準備行為の規制

• 第1項第2号、第1項第3号、そして第2項（下着・身体を撮影する行為）で禁止される行為を目的とした「写真機等を向ける・設置する」行為を未遂段階で取り締まる規定。
• 実際に撮影が完了していなくても、準備行為の段階で条例違反となり、被害拡大を予防できる。

(2) 具体的効果

• 例：スマホカメラをスカート下に差し向けようとしている時点、透かし撮りのために赤外線カメラを設置する時点などで摘発可能。
• 被害者や周囲が不審行為を発見・通報した段階で警察が対応しやすくなる。

6. 全体的な特徴と評価

1. 公共空間から私的・半公共空間まで網羅
   • 第1項は「公共の場所・乗物」、第2項は「特定または多数の利用がある非公共空間」、第3項は「衣服を脱ぐ可能性のある場所」、第4項は「撮影準備行為」。
   • これにより、多岐にわたる痴漢や盗撮、透かし撮りのシチュエーションを広くカバーしている。
2. “性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせる”
   • 社会通念上、被害者が性的な不快感や恐怖を感じるような行為は、いずれも条例違反となる可能性が高い。
   • 救急や介助など“正当な理由”があれば適用外となるが、痴漢や盗撮には該当しないのが通常。
3. 撮影行為の準備段階も規制
   • 第4項により、未然摘発が容易になる。
   • スマホや小型カメラの使用が広がる昨今、盗撮やスカート内撮影を防ぐ上で非常に重要な条文。
4. 罰則
   • 第12条や第13条に規定があり、第3条違反の場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が基本。常習の場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金。
   • 条例違反といえども有罪判決が確定すれば前科が付く点、侮れない罰則である。

7. 他法令との関係

• 場合によって刑法の「強制わいせつ罪」「住居侵入罪」「性的姿態等撮影罪」（令和5年施行）などが適用される事案もありますが、比較的軽微な行為や撮影準備段階など、刑法で処罰されにくい段階をカバーする意味で本条例が生かされます。
• 「透かし撮り」など技術的に新しい手口をいち早く取り込んだのも地方迷惑防止条例の特徴であり、香川県でも状況に応じて改正が繰り返されてきました。

8. まとめ

1. 香川県迷惑行為等防止条例 第3条は、痴漢・盗撮・透かし撮り・卑わい言動など、公共空間を中心とした様々な性犯罪的迷惑行為を網羅的に規制する中核条文。
2. 第1項では公共の場所・乗物における接触行為やのぞき見、撮影、透かし撮り、卑わい言動を禁止。
3. 第2項では公共ではないが多数が利用する空間（教室、事務所、タクシーなど）での「撮影行為」も制限し、被害防止を拡大。
4. 第3項では浴場、便所、更衣室など、“衣服を脱ぐ状態”が想定される場所での撮影を禁止し、さらにプライバシー侵害の深刻な状況に対応。
5. 第4項ではこれらの撮影行為の**未遂・準備段階（カメラを向ける・設置する）**をも禁止し、早期摘発を可能にしている。
6. 罰則は基本「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められ（常習で加重）、条例違反でも前科が付く重い結果を招く恐れがある。

総じて、本条は香川県内における性犯罪的迷惑行為の抑止力として機能しており、公共交通機関や商業施設、さらには私的な場所での盗撮まで幅広く対象とすることで、県民・滞在者が平穏に生活できる環境を守っています。近年は技術発展による新たな盗撮手口への対応が求められるため、条例の活用や必要に応じた改正が続いているのが現状です。

香川県迷惑行為等防止条例

https://en3-jg.d1-law.com/kagawa-ken/d1w_reiki/33890101005000000000/33890101005000000000/33890101005000000000.html